◇Story.4 ページ4
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あ「何でいるの。」
・
缶コーヒー片手に校門に寄りかかる形でいた
宏太はそんな私の質問は無視して、
大貴の自転車に手をかけると
“5秒以内に降りないと職員室連行するぞ”
と大人の権力を振りかざした。
・
・
あ「自分だって高校生の時してたくせに。」
・
宏太「あのねぇ、俺は交通ルールと法律は
最低限守ってるっつーの。
この子が迷惑かけちゃってごめんね。
えーっと……」
・
大貴「有岡大貴です。というか……
俺から誘ったんで本当すみませんでした。
Aも……何かごめん。」
・
あ「あ、ちょっ……」
・
バイバイ、何て挨拶する暇もない。
大貴は頭を下げると、颯爽と自転車をこいで
反対方向へと消えて行って
残された私はどうしたらいいか分からない。
・
あ「親みたい!」
・
何てただ文句を言うことしかできなくて
ほら、またその文句も流されるの。
歩き出したこの人、私の大好きな人は家の方向が
同じだから、ちょこちょこついていくしかなくて。
一定の距離を保ちながら私も歩き出すと
急に足を止めて振り返った。
・
宏太「ちょっと残ってるからコーヒーでも飲むか?」
・
小さい頃、何度も宏太と半分個しているから
今更、間接キスなんかでときめく関係ではなくて。
私がコーヒー飲めないのを知っているくせに……
差し出してくるから、
キッと睨みつけると、コーヒーを私に握らせた。
・
宏太「それ全部飲んだら
甘いシュークリーム買ってあげるから。」
・
そんなんで私の機嫌を直そうだなんて
本当に私のことを完全に子ども扱い。
・
あ「別に……シュークリームなんていらないもん。」
・
私だって、少しは成長しているんだよ。
会わない間に少しずつ大人への階段を昇っている。
そう見せつけたくて、大っ嫌いなコーヒーを
一気に飲み干して空き缶を宏太に押し付けた。
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作者名:おんぷ♪ | 作成日時:2014年9月6日 18時