◇Story.14 ページ14
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宏太「結局、ココア頼んでるし。」
あ「だって、頼んでいいって宏太が言ったんだよ?」
・
カランと氷が音を立ててグラスの底に沈む。
ストローでくるくると回すとシャランと音が鳴り
宏太をちらっと見ると目があって、
その時だった。
・
「あれ、宏太?」
・
と、呼ぶ男の人の声が聞こえて
振り返るとどこか見覚えのある人たちがいた。
・
「俺らの遊びをことわって、彼女とデートかよ。」
・
宏太「馬鹿、ちげぇよ。つーか、覚えてねぇの?
ほら、俺の幼馴染の……」
・
「あー……Aちゃん!?
嘘、めっちゃ大人になったね。」
宏太「その分、俺らも年取ってんだよ。」
・
あぁ、そうだ……この人たち、
宏太の中学からの同級生だ。
・
「兄妹みたいなもんとか言ってたけど
実はもう手出しちゃったりなんかしてー。」
宏太「バーカ、俺はお前らと違うの。
つーか、邪魔だからとっとと帰れ。」
・
やっぱり……か。
宏太にとっては私は手のかかる妹みたいなもので、
・
宏太「あれ、いつの間にかほっぺ膨らんでますけど?
機嫌直ったんじゃなかったの?」
・
“彼氏と彼女”って言葉より
“兄妹”って言葉がぴったりなんだ。
・
宏太「おーい、無視すんな。
今度は何に怒ってんだよ。」
・
結局、履きなれない高いヒールを履いたって
メイクを頑張って女の子をアピールしたって
所詮、それはただの大人の真似事で
中身は子どものままなのだから、
大人がそんな子どもに振り向くなんて……
・
あ「……もういい。」
・
私の思考回路がぷつんと終わりを迎えた。
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作者名:おんぷ♪ | 作成日時:2014年9月6日 18時