不良とか関係ないからさ【東卍】

兄弟か ページ26

「もしもし」





ということだったので、やっぱり話しやすいといえば、この人しか思い当たらなかったので電話した。





「あ、タケミチ〜灰谷さん？ 兄弟？ に会ってくるね」


「…え？！ 灰谷兄弟！？ どういうこ」

「うーんそういうこと(ヒミツ)だからじゃあね。自分勝手でごめん」





申し訳ないけど電話を切る。申し訳ないけど。




「終わったかぁ？」


「ほら行くぞ、乗れ」




「？ どこまで行くんですか？」







路端に停まっていた車に促されるまま乗り込み、何故か両側に座っている二人に聞いてみる。




「横浜」

「面白ぇもん見せてやろ〜 って思って」




急に電話が来て『ヒルズ集合な。来いよ』とそれだけ伝えられた時は何事かと思ったけどそういうことか。






「ねぇこれどこの店の？」




私が着ている服の袖の方をいじりながら、三つ編みの…………あー






「会ったとこのです。デザインから何までオーダーメイドですけど」


「あ〜売ってねぇのか」

「ふーん…いいな、それ」




「頼みます？ あの人なら頼めばどうにかしてくれそうですし」



「へぇ、お揃いってワケね」




…そうなのかな？ いや、そうなるのか…！




「そうなりますね？」







…？ 車の中が静かになる。




「Aチャンってさぁ、俺らのこと知ってる？」


「灰谷さん」

「どこの？」





いまいち質問の意図が分からずに困惑していると意味のわからない微笑みを返される。





「竜胆〜マジでなんも知らねぇわAチャン」


「じゃあ向かってるとこがどんなとこかも分かんねぇのか」



「つーか、Aチャンさぁそろそろ敬語やめろ？ プレゼントくれる仲だろぉ？」

「年上ですよね？」





流石に年上にタメ口で話す度胸はない。
でも、本人がやめろって言ってるからやめた方がいいのか。







「そういうの気にするタイプ？」


「相手が人である限り礼儀は必要かと」

「俺はそういうの気にしねぇから(どーでもいいから)別にいいぞ〜」

と雑に頭を撫でられる。









「髪、サラサラしてんなー」








「………兄弟いたらこんな感じなのかな」





上にも下にも誰もいないし、しばらく一人だったからそんなことを思う。

保護者いるけどさ。





「なんだー？ 妹になるかぁー？」


「…オマエなら悪くねぇかもな」


「普通に申し訳ないのでエンリョしますね」





面白くねぇな と兄弟揃って口にする。から、やっぱり兄弟なんだなーって思った。

今日から兄弟です→←違う、そうじゃない

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