距離感をください ページ20
「いえ…私は____」
「何してんの、兄ちゃん」
「会計終わって………知り合いか?」
「あ、
「え、お前の知り合いなの?」
「いや、知らねえ」
「あー……そういうことか」
まだよく分かっていない私を置いて、リンドウさんが一人納得したような言葉を溢す。
「分かるように説明を」
「……同じ名前なだけだろ。多分な。ほら帰るぞ、用事終わってんだから」
片手に握られていた紙袋を押しつけられて、出口の方に背中を押される。
「待って。質問に答えてない」
「どうでもいいから早く行け」
「受けた仕事はきちんとやるのと一緒だよ」
そう言えば、リンドウさんは背中を押すのをやめてくれた。
ついでに長すぎる溜め息も吐かれた。
「お、戻ってきた」
店内を少し歩き回ると、さっきも見た目につく容姿がすぐに見つかった。
「質問に答えないまま第三者のお陰で退場するのは流石にちょっと…」
「律儀〜」
三つ編み頭の方の人が肩を組んでくる。
一方的にだけど。
「そういえばお前、店員さんが探してたぞ」
「お、じゃあ行くか〜」
「………え、」
身に覚えのある強引さに流されて、受付の店員さんの所まで行くとすぐに対応してくれて、
小洒落た茶封筒を手渡してくれた。
「渡多 A様でいらっしゃいますね。
そちら、会員カードと紹介状が同封されております。
今後とも宜しくお願いします」
「お〜初めて見たなすげぇ」
「…ありがとう、ございます」
とりあえず礼を述べて、受付から離れる。
茶封筒を開けると、三つ編みの人と一緒に水色頭に金髪メッシュの人も覗き込む。
「ヤバ、初っ端からダイヤモンドとか」
「お前、ヤベェな」
「多分、やばいのはあの人かと……」
ダイヤモンドというのは会員のクラスなんだろう。
恐らく、これで私も顔パスができてしまうということだと思う。
「(権力の無駄遣い……)」
「あ」なんて、三つ編みの人が声をあげたものだからそっちを見る。
「俺、灰谷 蘭っつーの。そっちが竜胆ね」
本当に同じ名前だ。
「灰谷さんですね、私は」
「いやいいよ〜受付で聞いたし。Aチャン、番号交換しねぇ?」
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ジヘイ(プロフ) - 怜さん» ありがとうございます……!!更新頑張らせて頂きます!!! (2021年10月15日 20時) (レス) id: 2c04bafbb6 (このIDを非表示/違反報告)
怜 - 好きです(((更新お待ちしています!! (2021年10月14日 21時) (レス) @page41 id: 7d04816b57 (このIDを非表示/違反報告)
ジヘイ(プロフ) - ごりらさん» ヴッッッありがとうございます……!!応援に報いることができるように頑張ります!!! (2021年9月20日 15時) (レス) id: 2c04bafbb6 (このIDを非表示/違反報告)
ごりら(プロフ) - え??めっちゃ好きです…タイプ…。応援してます!! (2021年9月19日 18時) (レス) id: 0c5c330aa8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジヘイ | 作成日時:2021年9月10日 10時