カモフラージュ2

17-1.目覚めたら、そこは逆ハーレムでした。 ページ29

うるさい…
何この曲…
どこで鳴ってるの…

手探りでいつもの目覚ましを触るけど、一向に鳴り止まない。

あーもう。

薄く目を開けて、身体を半分起こしかけて目覚ましを見ると、9時。
そして、目覚ましのセット時間を見ると10時。

どういうこと？

眠たい頭で考えても止まらない音。
というより音楽。
はっきりしてきたことがこの曲がえくその曲ということ。
どうりでうるさいと思った。


「んー…」


唸り声と共に静まる。
ようやく音が止まった。
そして、気づく存在。


「あー、Aヌナおはよう」


微妙な体勢だった私の腰に巻きついてきたチャニョル。
…チャニョル？


「チャニョル！？」


一気に目が覚めた。


「ヌナ、意外とお腹ぷにょぷにょー」
「アラサーなんて所詮そんなもの…」


いや、その前にこの状態でよくそんなことを！
空いてる手でチャニョルの頭を叩くと、「痛っ！」と言いながらまだ目は閉じたまま。


「…何やってんの？」


反対方向から声が聞こえて、出来る限り首を動かすと目を擦りながらベッキョンの姿が目に入る。


「ベッキョン！？」
「あーズルい。俺も」


反対側から巻きついてきたベッキョンで、体勢は崩れた。


「痛い痛い！離れて！」
「えー、ベクが離れてよ」
「なんでだよ。お前が離れろってか落ちろ」


ベッドの上で壁側にベッキョン・私・チャニョルの状態で寝ていたらしく、ベッキョンの足がチャニョルを蹴り落とそうと伸びてきた。
寝起きの癖にガシガシ蹴るベッキョンに抵抗したものの、やる気はないらしく、素直に落ちていくチャニョル。


「ベクひどいー。ヌナー助けて。痛いー」


落ちたチャニョルは無視して「おやすみ」と可愛く言ったベッキョンがぎゅっと巻きつき、また目を瞑った。
好き勝手してるけど、この状態の説明は誰がしてくれるの？
その前に…


「チャニョル、さっきの目覚ましは？」
「あ！今日10時から練習だった！」


立ち上がったチャニョルがスマホを確認すると、「9時半に出れば間に合うから」と何やらチェックし始める。


「ベッキョン、いい加減離して。起きないと朝食ないよ」
「え！？ヌナ、作ってくれるの？」
「30分に出るなら急がないと無理だけど」


そう言うと、パッと離れてた。
ベッドから降りると、自分の格好を把握。
どうやら記憶はないけど、部屋着には着替えているようで、スウェットにパーカー姿。

立ち上がり、髪を結ぶと、顔を洗いたいのを我慢して、朝食の準備に取り掛かる。
パンと目玉焼き、ベーコンも一緒に焼いてレタスだな。
背伸びをすると、時間がないから、急いだ。

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