14-1.エスパーと訪問者 ページ1
ルイオンニから先に昼休みをとっていいということで、カフェでご飯でもと思い、外へ出た。
お昼時はとうに過ぎていて、平日にこの辺を歩いている人はまばら。
いまだにまだ周りをキョロキョロする癖が抜けなくて、何か良い店はないかと探してしまう。
行く店は偏っているのに。
日本の冬とは違う韓国の冬。
イヤーマフラーをしているのは日本人の私くらいだ。
白い息を吐きながら、いつものカフェを目指していると、電話がかかる。
「もしもし」
「ヌナ！久しぶり！この前はスホヒョンがお世話になったんだってね！」
「あー、チャニョル？元気？」
「めっちゃ元気！ヌナは？」
「うん、元気」
「テンション低いんだけど」
「今外にいて寒いんだよ」
「あのカフェに行くの？」
「え、どこかで見てるの？」
「そんなわけないじゃん」
弾むように進む会話は果たして噛みあっているのか謎だけど、チャニョルの声を聞くとなんていうか、心が温まる。
低い声で笑う声が耳元に響き、一緒に笑う。
「ところでヌナ、なんでこっちに住むこと教えてくれなかったの？」
「言わなかったっけ？」
結構頻繁にメッセージのやり取りはあった気がするのに…。
そういえば、キボムとボアにしか言ってない気がする。
「言ってないよ！またヌナは俺のこと騙す気？」
「違うって。ごめんごめん。確かに言ってないわ。まだ１ヶ月も経ってないから大丈夫でしょ」
「何その言い訳。期間とか関係ないよ」
ツボに入ったのか大笑いするチャニョルの声に少し耳からスマホを離す。
「そうそう！それでスホヒョンなんだけど、」
「え、スホくん？」
「この前のお礼がしたいから、今日お店に行っていいか聞いてくれって言われて電話掛けたんだった」
「いいよ、お礼なんて。むしろ私が悪いんだし」
きっちりしてるなぁ。
若いのに。
そういえば…私がキボムと友達って知ってるなら気を遣うか。
「なんでヌナが悪いの？」
「とどめをさしたのが私なんだよね…まぁ、詳しくはスホくんに聞いて」
「何それ。とりあえず、今日大丈夫？」
「私は暇だけど…そっちが忙しいでしょ？無理しなく」
「じゃあ、そういうことだから！あ、ヌナ！また今度ね！」
最後は話も聞かず、畳み込むようにしめたチャニョルに唖然としながら、切られた電話。
どうやら私の返事はイエスしかなかったようだ。
ポケットにスマホを入れると、いつのまにか着いていたお店のドアを開けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 174人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひきゅ(プロフ) - ともさん» 初めまして、ともさん(*^^*)コメントありがとうございます！もうすぐ更新止めて1年半でしたか…(^_^;)落ち着いてきたので、ぼちぼち書いていこうかと思っています。また暇な時に来て下さいね(^.^)おかげさまでやる気になったひきゅでした！返信遅くなってすみません！ (2016年2月27日 12時) (
レス) id: 3dfb524f06 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 繰り返し読んでます！最新待ってまーす (2016年1月15日 21時) (レス) id: 8d47b425c8 (このIDを非表示/違反報告)
ひきゅ(プロフ) - どるさん» どるさん、おはようございます(*^^*)自分で書いててなんですが、私もあんな親友欲しいですww私の中のチャニョルはあんなことしないと思うんですが、なぜでしょう←wwwえくそで世の中盛り上がってますが、通常運転で参ります！コメントありがとうございますヽ(´▽`)/ (2014年4月14日 9時) (レス) id: db3011806f (このIDを非表示/違反報告)
どる(プロフ) - こんにちは！ひきゅさんの書くキボムと本気で親友になりたいっす！！！！そしてチャニョルに奪われた唇っ！！！！ひゃー！！！！！！ (2014年4月13日 6時) (レス) id: 56294a21e4 (このIDを非表示/違反報告)
ひきゅ(プロフ) - 安芸＠笠松さんのレッグになりたい(^q^)さん» 初めまして(*^^*)コメントありがとうございます！すっかり見落としてましたっ(>_<)危なかったです｡｡教えて下さり、ありがとうございます！ (2014年3月27日 9時) (レス) id: db3011806f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひきゅ | 作成日時：2014年3月26日 17時
