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【江戸川乱歩・モラトリアム】 ページ18

※乱歩さんの仕事態度捏造




春うららかな三月。とある地方ではお昼のチャイムがとある卒業ソングへ変わった頃。

学生は卒業を迎え、進学就職をする季節。
そんななか、私、Aも、学校を卒業する時期になった。
あと1週間もしないうちに卒業式だ。

「もうちょっとで卒業か〜早いな……」

「Aは卒業したら探偵社に就職するんだろ?」

国木田さんが、書類に目を落としながら問い掛ける。

「就職しますけど、モラトリアムは長いほうがいいですよー」

ぐーん、と伸びをして制服を見下ろす。

モラトリアム―即ち【猶予期間】である。
学生など、社会に出て一人前になることを猶予されている状態。


モラトリアムなんてほぼ無かったであろう敦くんなんかには、絶対言えない。

「モラトリアムなんかないほうがいいさ」

唐突に、乱歩さんが口を挟む。

「そんなのがあるお陰でAは探偵社にいる時間が短いじゃないか」

「はいはい、乱歩さんは私がいなくて寂しかったんでしょう」

「当たり前だろ」

フンスッと鼻を鳴らし、机に積み上げた御菓子を頬張る。

乱歩さんは、私や社長が社にいないと機嫌が悪く、名探偵の仕事以外は座って菓子を頬張っているらしい。

「Aがいないとやる気出ないんだから、さっさと卒業してきて。モラトリアムなんか一刻も早く抜けてきてよ」

「名探偵の仰せのままに」

悪戯っぽく笑って、乱歩さんへ会釈をする。

「それでよし!」

すっと、菓子が差し出され、その翠の目を覗かせる。

「卒業したらいちばんに会いに来てね」
「はいっ」

外は、暖かな陽射しに照らされてきらきらと輝いていた。

【差し出された菓子については、お好きな駄菓子を思い浮かべてください。ちなみに私はポンポン菓子です。】

【国木田独歩・夏のおねだり】→←【福沢諭吉・寝られない】



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作品ジャンル:アニメ
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黒バイ(プロフ) - 正装の国木田さんイケメンすぎですよね!死にそうになりました。 (2018年9月27日 14時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - こちらこそリクエストにお答えしていただき有難う御座います。またリクエストする時がありましたら、その時も宜しくお願い致します。 (2018年8月30日 20時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
あやな - リクエスト消化ありがとうございました。賢治くんなら確かに受け入れてくれそうですね。ありがとうございました。 (2018年8月29日 22時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)
黒バイ(プロフ) - リクエスト宜しいでしょうか?国木田さんの誕生日を祝う…と言うお話をお願い致します。 (2018年8月29日 21時) (レス) id: bfca25752a (このIDを非表示/違反報告)
あやな - 書きやすい方で書いてもらって大丈夫です。よろしくお願いします。 (2018年8月25日 14時) (レス) id: deabd34961 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きゃめろん | 作成日時:2016年10月18日 22時

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