95 気分転換 ページ45
振り向くと満面の笑みで芥川が立っていた。
芥「びっくりした?へへ、実は今日ずっと隣のコートだったんだよ〜気づかなかったでしょ?」
ブ「あーマジか、悪い。全然気づかなかった」
思わずあははと苦笑いを浮かべると、芥川はだよね〜と特に気にする様子もなく、自身のラケットを肩に乗っけながらケラケラと笑う。
いいなお前は、なんの悩みもなさそうで…
ブ「…そうだ、芥川。午後って予定あるか?」
芥「え、ないけど…なになに!?一緒に遊んでくれるのー!?」
芥川はキラキラとした目を大きく見開いて喜んだかと思えば、
肩に乗せたラケットがカランと床へ落ち慌てて拾い上げる。
その落ち着きのなさに、俺は思わず吹き出してしまった。
ブ「っはは、慌てすぎだろぃ。まぁ遊ぶっつーか、ちょっと気分転換付き合ってくんねーかなと思ってさ」
芥「うんうん、ぜんぜんいいよ〜!むしろ丸井君のプライベートを覗けるなんて光栄だC〜!」
ブ「プライベートて…。じゃあ昼食って、午後イチに3階の調理室で集合な」
芥「調理室?うんわかった!」
予定ができて少しだけ気が紛れた所で、練習終了のホイッスルが鳴らされる。
用具を片付けながらAの姿を探すが、
遠くから「ねぇ頼むから早くして〜!」というAの声が聞こえるだけで姿は見えなかった。
ブ「はは、アイツもアイツで慌てすぎだろぃ」
芥川のおかげで少しだけスッキリした俺は、
そのまま練習場を後にした。
*
〜赤也Side 〜
『ねぇ頼むから早くして〜!』
赤「ま、待ってくださいね!すいません!」
俺がいつものクセで用具をぐちゃぐちゃに散らかしたせいで、
練習終了の合図が鳴っても片付けは終わりそうにもなく。
そもそもホイッスルは片付けも含めた終了の合図なので、
俺があたふたとしてる間にどんどん他の人達は出入り口へと吸い込まれていく。
『最後に用具の破損や紛失がないか残って検品しないといけないのに…』
赤「そ、そうですよねぇ〜…」
ついさっきAさんは、
午後から自由なのは部員だけで、自分は夕方まで仕事があると知って絶望していた。
赤「ほんとすいません…あの、コレあげるんで元気出してください」
咄嗟にポケットに入っていたブドウ糖をAさんに手渡すと、彼女は微妙な顔をしながらも「ありがと」と笑って見せた。
やっぱ可愛いな。Aさんには悪いけどこうやって2人で残るのは俺からしたらラッキーでしか無い。
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キャメル(プロフ) - まゆさん» まゆさん、ありがとうございます!(;_;)その言葉で私もお仕事頑張れるし、ほんとに嬉しいです…これからもどうぞよろしくお願いします^_^ (2022年10月31日 21時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - おもしろいです。更新楽しみに仕事頑張れます(o^^o) (2022年10月31日 19時) (レス) @page49 id: d99fc6d444 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 小筆さん» 初めまして、小筆さん!!そんなそんなありがとうございます!!そういうふうに言って頂けるだけで本当に嬉しいです(^^)これからも楽しんでもらえる様に頑張るので見守って頂けたら嬉しいです❣️ (2022年10月18日 22時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
小筆(プロフ) - いつも見させて頂いてます!大好きなお話なので、これからも頑張って下さい!ずっと応援してます! (2022年10月18日 21時) (レス) id: fe225f18e6 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 詫びようとする幸村くんいいなと思って書いたので反応してくれて嬉しいですw(^ ^)!!!!詫びすぎず詫びなすぎず頑張ってほしいですね🤭 (2022年9月29日 15時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:研究員 | 作成日時:2022年9月21日 20時