92 戸惑い ページ42
『…え!?』
唐突な提案に、言葉を失う。
白「今回の合宿で、キミの動きは本物や思いました。どうしてもAさんがほしいんです」
白石はもはや周りの目など気にすることも無く、
私の手をキュッと握り真っ直ぐと私を見つめた。
手の甲に彼の熱を感じる。
白「もちろん無理強いはしません。…せやけど部長として、最後まで諦めたくない思いで今来ました。今回の合宿がAさんをゲットする最後のチャンスや思うてます」
『う、うーん…』
話の最中、彼は1秒たりとも私の目から視線を離さなかった。
それほどに本気なのだろうと思う。
…でも今の私には立海のみんながいて、
彼等も私を信じて毎日厳しい練習を頑張ってくれている。
何より私自身、今回の立海での仕事は今までよりも少し特別な気がしていた。
白「…やっぱダメやろか?」
彼が私の顔を覗き込み、小さな声でそう呟く。
『まぁ…そうだね、約束はできないな。確かによっぽどの事件とかがあれば任期更新はされないだろうけど…今のところは順調だし、私は最後まで立海で仕事がしたいと思ってる』
うん、自分で言ってみて改めて気づいた。
やっぱりこれが私の本音だ。
白「…はは、やっぱり幸村クンにはどうしても敵わへんみたいやなぁ。わかりました、今のところは諦めますわ。…ただ」
『ただ?』
すると彼は持っていたスマホを操作して、
そのまま私に手渡した。
『…??』
渡されるがまま受け取って画面を見てみると、
なにやらラインIDの入力画面が表示されている。
白「今、連絡先だけ交換してもええかな?万が一とかもあるやろうし」
『ああ、別にそれはいいよ』
白「ほなそこにID打ち込んでくれますか」
『はーい』
渡されたスマホに自分のIDを打ち込みアカウントを表示すると、
友達追加だけしてそのまま彼にスマホを返した。
白「おおきに、それじゃ何かあったら連絡しますんで。Aさんも何かあったら遠慮せんですぐラインよこしてください」
『わかったよ』
そして満足そうに去っていく彼を見送ると、
緊張が解けた様に組み立て途中だったベンチの事を思い出す。
『…ってやば、組み立てないと!!!』
床に置いたドライバーを拾い上げ作業に取り掛かろうとすると、
今度は目の前に誰かの気配を感じてそのまま顔を上げた。
『…あ』
幸「おはようAさん、俺も手伝うよ。…話しがてらね」
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キャメル(プロフ) - まゆさん» まゆさん、ありがとうございます!(;_;)その言葉で私もお仕事頑張れるし、ほんとに嬉しいです…これからもどうぞよろしくお願いします^_^ (2022年10月31日 21時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - おもしろいです。更新楽しみに仕事頑張れます(o^^o) (2022年10月31日 19時) (レス) @page49 id: d99fc6d444 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 小筆さん» 初めまして、小筆さん!!そんなそんなありがとうございます!!そういうふうに言って頂けるだけで本当に嬉しいです(^^)これからも楽しんでもらえる様に頑張るので見守って頂けたら嬉しいです❣️ (2022年10月18日 22時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
小筆(プロフ) - いつも見させて頂いてます!大好きなお話なので、これからも頑張って下さい!ずっと応援してます! (2022年10月18日 21時) (レス) id: fe225f18e6 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 詫びようとする幸村くんいいなと思って書いたので反応してくれて嬉しいですw(^ ^)!!!!詫びすぎず詫びなすぎず頑張ってほしいですね🤭 (2022年9月29日 15時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:研究員 | 作成日時:2022年9月21日 20時