76 すれ違い ページ26
宿舎のエントランスに着いて辺りを見回すが、荷物を取りに来たであろう学生がチラホラとみえるだけで俺が探している人の姿は無い。
ブ「あれ…もしかして入れ違っちまったか？」
これだけ広いともちろん出入り口も一つではないから、Aは他の出口から既に戻ったのかもしれない。
少し残念に思いながら、それとなくエレベーターの方を見てみる。
ブ「…お」
すると間も無く16階のランプが点灯した。
誰かが降りてくる様だ
ブ「16階……16階って確か女子の関係者用宿泊エリアだったよな。女子は多分Aしかいねぇはずだし…もしかしてアイツかな？」
淡い期待を胸に抱き、気付いた時には俺はエレベーターの前へと走っていた。
その時ランプはすでに9階を示しており、そのまま止まらずに早いスピードで一階へと向かってくる
ブ「(へへ、驚かせてやろっ)」
エレベーターの少し脇に寄って、壁にもたれかかるとドアが開くのを待つ。準備万端だ
“一階です。ドアが開きます”
女性のアナウンスを合図に俺はドアが開くと同時に真ん中へと飛び出した。
ブ「おいAっ！……は？」
が、俺のいたずら心は一瞬にして粉々に砕け散り、
あげていた両手は脱力し両脇にダランと垂れ下がった
仁「ん？ブン太、こんな所で何しとる」
ブ「…」
おれの目の前にいたのはAではなく、そこにいるはずのない男だった。
……なんでお前がいるんだよぃ？
仁王はエレベーターを降りると、立ち止まる事なく俺を横目に出口へと歩いていく。
ブ「おい…ちょっ、待てよ仁王！なぁお前今16階から来なかったか？」
肩を掴むと仁王は立ち止まって首だけをこちらに向け、笑った。
仁「おお、その通り」
ブ「けど16階って女子のエリアだよな？何しに行ってたんだよぃ。そういえばお前も昼いなかったし…」
そもそも16階のカードキーを持つ人と一緒じゃないと、エレベーターはその階に停まらないはず。
嫌な予感が頭を駆け巡り、胸がぎゅっと締め付けられていく。
気づくと俺は不安を口にしていた。
ブ「…なぁ、Aのとこ行ってたとかじゃ…ないよな？」
仁王の襟を掴んだ手に力が入らない。
自分で言葉に出したせいか、不安が現実味を帯びていく
なんだよこれ、気持ちわり…
仁「俺がどこで過ごそうがおまんには関係ないぜよ」
わざと含ませた言い方をするタチの悪い男の手には、Aが持っていたはずのタイム表が握られていた。
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キャメル(プロフ) - まゆさん» まゆさん、ありがとうございます！(;_;)その言葉で私もお仕事頑張れるし、ほんとに嬉しいです…これからもどうぞよろしくお願いします^_^ (2022年10月31日 21時) (
レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - おもしろいです。更新楽しみに仕事頑張れます(o^^o) (2022年10月31日 19時) (レス) @page49 id: d99fc6d444 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 小筆さん» 初めまして、小筆さん！！そんなそんなありがとうございます！！そういうふうに言って頂けるだけで本当に嬉しいです(^^)これからも楽しんでもらえる様に頑張るので見守って頂けたら嬉しいです❣️ (2022年10月18日 22時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
小筆(プロフ) - いつも見させて頂いてます！大好きなお話なので、これからも頑張って下さい！ずっと応援してます！ (2022年10月18日 21時) (レス) id: fe225f18e6 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 詫びようとする幸村くんいいなと思って書いたので反応してくれて嬉しいですw(^ ^)！！！！詫びすぎず詫びなすぎず頑張ってほしいですね🤭 (2022年9月29日 15時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：研究員 | 作成日時：2022年9月21日 20時
