87 お詫び ページ37
*
柳「…ではお大事にな。おやすみ」
『ありがとう、おやすみ』
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肩の手当てを終え蓮二が部屋に戻った後、
痛む体を労わりながらゆっくりとベッドに横になった。
『…ちょっと今日はいろいろありすぎたな、疲れた』
疲労も限界だった私は、天井を見上げたまま微睡の中へと引き込まれていく。
明日、跡部にこの事話さなきゃ。
あと時間があったらブン太にも声かけないと。
『……』
そうして忙しい頭の中を整理しながら、
私はいつの間にか眠りについた。
*
♪ピロリロリン、ピロリロリン
『んん…?』
着信音で目を覚ます。
昨晩充電するのを忘れてバッテリーが20%しかない事に絶望しながら、なんとか重い体を起こして電話に出た。
『ふぁいAです…』
跡“ああ、俺だ。明朝に悪いがお前に急遽話がある。皆が集合する30分前にロビー裏へ来てほしい”
この声は、跡部?
『あ〜、今日の話だよね?』
ところで毎回名乗らずに“俺だ”しか言わないのはやめてほしい。
…それにしても、こんな朝早くから呼び出すとは一体どうしたのだろうか。
跡“アーン?こんな朝っぱらから起こしてるんだ。今日に決まってるだろう。何なら今からでも構わねえ、来れるか?”
『今でも別にいいよ、髪の毛ボサボサで良ければ』
ちょうど私からも話したい事があったし、
誰にも見られない所で会えるならなおさら丁度いい。
跡“フン。…ではロビー裏で待ってる”
『はーい』
電話を切ると、私は着替えだけを済ませて部屋を出た。
*
『おはよう』
宿舎ロビーの裏に向かうと、
壁に寄りかかっている彼を見つけ、声をかける。
私の声が届くやいなや跡部はサッと立ち直しこちらを向いた。
跡「おはよう。…本当に寝起きのまんま来たんだな」
『いや、だってそう言ったし』
かく言う彼はまだ6時前だというのに、髪型も服装もバッチリだ。
さすが品の良さが伺える。
『ところで話って何?』
多分また仕事を頼まれるとかそんな所だろうと、軽い気持ちで聞いてみるとなにやら跡部は真剣な顔つきに変わった。
跡「…A」
『う、うん?』
そんなに改まるなんて一体どんな面倒な仕事を頼むつもりなのかと不安な気持ちになりかけた時。
跡部は私の正面に立つと突然、頭を深く下げた。
跡「…昨日の件、立海の柳から報告があった。
本当にすまなかった。うちのバカ共の愚行を許してくれ」
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キャメル(プロフ) - まゆさん» まゆさん、ありがとうございます!(;_;)その言葉で私もお仕事頑張れるし、ほんとに嬉しいです…これからもどうぞよろしくお願いします^_^ (2022年10月31日 21時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - おもしろいです。更新楽しみに仕事頑張れます(o^^o) (2022年10月31日 19時) (レス) @page49 id: d99fc6d444 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - 小筆さん» 初めまして、小筆さん!!そんなそんなありがとうございます!!そういうふうに言って頂けるだけで本当に嬉しいです(^^)これからも楽しんでもらえる様に頑張るので見守って頂けたら嬉しいです❣️ (2022年10月18日 22時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
小筆(プロフ) - いつも見させて頂いてます!大好きなお話なので、これからも頑張って下さい!ずっと応援してます! (2022年10月18日 21時) (レス) id: fe225f18e6 (このIDを非表示/違反報告)
キャメル(プロフ) - こかさいだーさん» 詫びようとする幸村くんいいなと思って書いたので反応してくれて嬉しいですw(^ ^)!!!!詫びすぎず詫びなすぎず頑張ってほしいですね🤭 (2022年9月29日 15時) (レス) id: 0837b0830d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:研究員 | 作成日時:2022年9月21日 20時