【テニプリ 】仕事をしてただけなのに…1

4 初めまして ページ4

〜貴方sibe〜


『ストップウォッチ、メモ帳、筆記用具、ブドウ糖…』


今日から初勤務。
立海側から任期更新の要望がない限り、少なくとも半年は立海テニス部のマネジメントを担当することになる。



私は校長・コーチなどに挨拶を済ませた後、
案内された部室で真昼間から物の整理をしていた。


『最初の片付けが面倒なんだよねぇ』


ガチャ


『！』


突然回るドアノブにビクッと体が跳ね返る。

悪いことをしている訳ではなかったが、
私はあわてて立ち上がり、背筋を伸ばしてドアの方を向いた。


『…お、おはようございます』


そしてそのまま慣れた様子で入ってきた人と、目が合う。



幸「あれ。君がAさん？」



『あっ…はい！今日からマネジメントさせていただく、AAと申します！よろしくお願いします』


一瞬見えた端正な顔に、顧問か偉い方なのかと思い咄嗟に頭を下げたが、ふと頭のなかにハテナが浮かぶ。


この人制服を着てた様な…


幸「フフ、貴方が来る前に掃除しようかと思ったんですが…どうやら先を越されてしまったみたいですね」


ゆっくり顔を上げると、そこには優しく微笑むその人。



『…ああいえ、とんでもないです。私こそ初日から勝手に入ってしまいましてすみません』



幸「部長の幸村精市です。この度は俺たちの学校を選んでくださってありがとうございます。
どうぞよろしくお願いしますね」



『あっ、部長さんでしたか…！
こちらこそよろしくお願いします』



部長さんと言う事はやはり顧問などでは無く、
ここの学校の生徒の様だ。



と言う事は…中3？


『(わぁ、、中学生ってこんなだったっけ？)』


目の前で軽く頭を下げる彼は、
どう見ても歳上にしか見えなくてどこか緊張が解れないまま…


私はその場でただニコニコと立ち尽くしていた。




幸「もうじきみんな来ると思います。
その時改めて紹介しますね」

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