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「そう言えば、ショッピくんってシッマと同じ中学やんな？」
「はい、そうですけど」
「じゃあさ、Aとも同じ中学なわけやんな？」
パッと顔を上げる。
障子を運びながらも、ゾムさんの視線は俺を捕らえていて。
…前向かずに歩けるとか器用やなホンマ。
「まぁ…そうなりますね」
「喋ったこととかないん？」
「覚えてないっすね。コネシマさんの後輩、ってだけで、A先輩とは部活も委員会も違いましたし。たまに見かけるくらいで…」
「ほー」
意外やわ。そう言いつつも、ゾムさんの表情は何処か嬉しそうで。
気がつけば話題も文化祭やら生徒会やらに変わっていた。
…正直、なんでこんな"嘘"をゾムさんについたのかはわからない。
ただ、なんとなく直感的に、隠してしまった。
__________俺の唯一の、A先輩の記憶。
・
それは俺が中二の秋。三年生にとっては、最後の大会の日。
「………やってもうた」
選手控え室、珍しく真っ青な顔をしたコネシマさんと目が合う。
「どうしたんすか？」
「ユニフォーム忘れたわ…」
暫くの沈黙。
気がつけば俺の口からは、はぁ…ホントクソ先輩。といういつもの悪態が溢れていて。
時計を見れば、試合が始まるまで残り1時間。
「誰かに持ってきてもらったらどうですか？」
ほら、いつも一緒にいる幼馴染みの人とか。
俺の言葉に、コネシマさんは顔を上げ、すぐに携帯を手に控え室を出ていった。
ホンマ、騒がしい人やな。
試合開始まで、残り10分といったところか。
その辺りになって、先輩の幼馴染みはやってきた。
先輩や彼女の住んでいる地域から、この試合会場までは自転車でちょうど1時間ほどかかる。
それを40分ほどで到着したのだ、汗だくの彼女を見るに、相当急いで来たのだろう。
『あっぶな！！間に合った…！』
「ホンマすまんわ…ありがとう…」
『いやマジで気をつけてよ』
「今度なんか奢るわ…」
不満気に一つ二つ文句を言っていた彼女は、俺と目が合うと遠慮がちにお辞儀をした。
『そんなに申し訳なく思ってんなら、絶対勝ってよ。私の頑張り無駄にしないでね』
「…A、お前ホンマええやつやな」
時間が迫ってきた。
ウルウルと漢泣き(笑)をしそうなコネシマさんの腕を引く。
「コネシマさん時間です、行きましょう」
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悠(プロフ) - 自分が設定してた自分の名前と彼氏の名前が一緒でややこしい事になってましたw奇跡。小説めっちゃ面白いです (2021年5月19日 23時) (
レス) id: 7e4efb4011 (このIDを非表示/違反報告)
ゆだ - 面白いですね (2021年3月1日 17時) (レス) id: e2d5e79f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - コメント失礼します。すごく面白いです！続きが気になるので更新いつまでも待っています！ (2021年2月2日 21時) (レス) id: 4b52fa3010 (このIDを非表示/違反報告)
カコ(プロフ) - コメント失礼します！このお話大好きです！更新待ってます！ (2020年11月3日 0時) (レス) id: e319902130 (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱 - とてもいいお話ですね、読んでいて楽しかったです。更新はいつまでも待っています。頑張ってください！ (2020年8月16日 10時) (レス) id: c162b9accc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かまぼこ | 作成日時：2020年3月27日 22時
