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「うわホンマや」




ショッピくんの露骨に引いた声。

いつもの私なら相手に失礼だから。と止める所だけど…。




「あ、ショッピくんや!たしゅけて〜〜」

「無理っすね」

「あぁんちゅめたい」


『…うわ』




これは…確かに、うわ、と思う。なんなら声にまで出してしまった。


そこには、頭だけ障子を突き破って、障子の重さで起き上がらないのだろう、床に猫のように倒れ込む男子生徒が。

眼鏡をかけた、容姿は整っているのにどこか陰鬱な印象を与える彼と目が合う。




「…は?宮本さんやん」




なぜ私の名前を知ってるのかはさておき、大先生は私の顔を見るなり、気怠気な表情から一変、先ほどの気持ち悪い口調までもやめる。




『え…と、話したことありましたっけ?』

「いや、ないです。可愛いなぁ…思うて名前は知ってたんすよ。あ、僕鬱、って言います。よろしゅう」

『ど、どうも…?』




随分爽やかな印象に変わったものだ。先ほどの未知の気持ち悪さが消えるわけではないが。

相手の顔が障子にハマり、ましてや床に這いずった状態での自己紹介なんて初めてで、なんと反応すればいいものか…。




「てかシッマ!俺がこんな状態なんやから、可愛い女子と俺に信頼を寄せてる後輩連れてこんといて!!!恥晒してまうわ」

「はぁ…鬱の兄貴のこんな姿、見たくなかったわ〜」

「ショッピくん俺をそんな目で見んといて…」




ショッピくんは随分ノリがいいらしい。




「いやでもお前の人生、常に恥晒してるようなもんやで」

「シッマ急に辛辣やな」

「それにその障子、ショッピくんとAのグループが使うやつやから。大先生、これは逃れられない運命なんやで」

「俺こんな運命嫌や〜…」




諭すような口調だけど何気に酷いこと言ったな。

弱々しく俯く大先生、だが思い出したように顔を上げ、「そう言えばお前、なんで宮本さんのこと名前呼びやねん」とコネシマに突っかかる。




「いや、俺とA小学校の時から同じやねん」

「えぇ?!そうなん?!初耳なんやけど…」




ショッピくん知っとった?と話を振られれば、彼は、まぁ…。と返事をする。




「何言うてんねん大先生。ショッピくんも中学は同じやで」

「あー、そう言えばそうやったわ」


『……え?』

「なんやA、お前知らなかったんか?」




不思議そうにシッマが聞いてくる。

…全く知らなかった。


ショッピくんの方を見れば、俺は知ってましたけど。と言われた。

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(プロフ) - 自分が設定してた自分の名前と彼氏の名前が一緒でややこしい事になってましたw奇跡。小説めっちゃ面白いです (2021年5月19日 23時) (レス) id: 7e4efb4011 (このIDを非表示/違反報告)
ゆだ - 面白いですね (2021年3月1日 17時) (レス) id: e2d5e79f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - コメント失礼します。すごく面白いです!続きが気になるので更新いつまでも待っています! (2021年2月2日 21時) (レス) id: 4b52fa3010 (このIDを非表示/違反報告)
カコ(プロフ) - コメント失礼します!このお話大好きです!更新待ってます! (2020年11月3日 0時) (レス) id: e319902130 (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱 - とてもいいお話ですね、読んでいて楽しかったです。更新はいつまでも待っています。頑張ってください! (2020年8月16日 10時) (レス) id: c162b9accc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かまぼこ | 作成日時:2020年3月27日 22時

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