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「なんや、二人とも同じグループやったんか!ええなぁ!」
騒音が服着て歩いてるような男、コネシマは、見るからに鬱陶しそうにしているショッピくんの肩をバシバシ叩く。
殺意の篭った視線をショッピくんが向けるも、我らがコネシマはどこ吹く風。
アッハッハッハ!と何が面白いのか、一人で楽しそうに笑っている。
かなりタイプが違いそうな二人がなぜ知り合いなのか。
あぁ、そう言えばコネシマも生徒会だった。と思い出す頃にはショッピくんからSOSの視線が向けられていて。
『そういえばシッマはなんで保健室に?』
「忘れてたわ。ぺ神呼びに来たんやけど…いないみたいやな」
「コネシマさん怪我でもしたんですか?」
「なんで嬉しそうやねん。俺じゃなくて、鬱先生が…」
鬱先生、って確か生徒会役員だっけ。
女の子とよく拗れてるから彼もちょっとした有名人だ。ちゃんと見た事ないけど。
『カッターで指切ったとか?』
「ちゃうちゃう、そんな可愛いもんやないで」
確かに、先生を呼びにくるなんて、本人が来れないあたりよっぽど酷い怪我なのだろうか。
コネシマは首を振り、深刻そうな顔をした。
「障子にな、顔がハマって出られへんねん」
『……え?』
「……は?」
ショッピくんと声が重なり、お互い顔を見合わせる。
「旧校舎の三階の階段、老朽化で一部分だけへこんでてん。そこに躓いた大先生が転げ落ちて、なぜか下にあった障子とぶつかって、」
『…顔がハマっちゃったの?』
「せやねん。大先生顔でかいから、障子をバーン突き破ってな」
顔がでかい、ってもうただの悪口では?
…それよりも、その障子。すごーく覚えがあるんですけど。
多分、私が転んだ時にそのまま置いてきたやつだ。
というか、私が転んだ原因老朽化だったのか…。
チラっとショッピくんの方を見る。
「…それは大変やな。何か手伝えるかもやから、一緒に行きますよ、コネシマ先輩」
「ホンマか?!お前、先輩思いのええ奴やなぁ…!」
いや、顔全体に「面白そうなんで」って書いてあるし。
シッマがまた一人で笑ってる隙に、ショッピくんの袖を引っ張り顔を寄せる。
『…ホントに見にいくの?』
「そりゃあ、面白そうなんで。それに多分その障子俺らのっすよ。どうせ障子運びにあそこには行かなアカンわけやし」
…確かに。
シッマと、楽しそうなショッピくんに手招きされ、私は保健室を後にした。
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悠(プロフ) - 自分が設定してた自分の名前と彼氏の名前が一緒でややこしい事になってましたw奇跡。小説めっちゃ面白いです (2021年5月19日 23時) (レス) id: 7e4efb4011 (このIDを非表示/違反報告)
ゆだ - 面白いですね (2021年3月1日 17時) (レス) id: e2d5e79f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - コメント失礼します。すごく面白いです!続きが気になるので更新いつまでも待っています! (2021年2月2日 21時) (レス) id: 4b52fa3010 (このIDを非表示/違反報告)
カコ(プロフ) - コメント失礼します!このお話大好きです!更新待ってます! (2020年11月3日 0時) (レス) id: e319902130 (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱 - とてもいいお話ですね、読んでいて楽しかったです。更新はいつまでも待っています。頑張ってください! (2020年8月16日 10時) (レス) id: c162b9accc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かまぼこ | 作成日時:2020年3月27日 22時