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＊
「それは二人の時だけやん」
ゾムさんは私の耳元に顔を寄せ、小さい声でそう囁く。
「流石にほら、小林クンとかいる前で呼んだらアレかなぁって思ってたんやけど」
許可取ってるなら問題ないやん？
と私が許可を出す前提で喋ってくる。
だがここでゾムさんだけ断るのも正直不自然。
相手も粘るだろうし、ただでさえ少ない時間を取るのも申し訳ない。
『……どうぞ、ご自由に』
「ほんまー？じゃあAも、俺のことゾム、って呼ぶんやで！」
さん付け一回ごとに寮に押しかけるから。なんて恐ろしすぎる脅しを受けてしまった。
なんて自由でマイペースなんだ…。
彼のペースに乗せられてるのが非常に癪だが、ここはグッと堪える。
「じゃ、ショッピくんは俺と運ぼか」
「はい」
大先生、コネシマ。シャオロンさん、ロボロさん。それぞれの二人組も障子を運び出す。
食堂に戻って何かお手伝いでもしてようかな。
なんて考えていると、あ。と思い出したようにゾムが声を上げた。
「せや、A。トントンに食堂来るよう言っといてくれへん？多分体育館に居ると思うんやけど」
『わかりました』
「は？」
『え？』
ゾムが真顔で、頼むで？と同じことを繰り返す。
何なのか、暫く戸惑い、ようやくピンときた。
『……わかった』
私の返事を聞くと、ゾムは満足そうに笑って作法室を後にする。
そこまでタメ口に拘るか…。
親交を深めてしまったことを後悔に感じつつも、先ほど言われた通り私は体育館へ向かった。
＊
体育館に着くと、そこはまだ何の装飾も施されておらず、工具箱やら段ボールやらが置かれていた。
トントンさんを探し、キョロキョロと辺りを見回す。
「何かお探しですか？」
声をかけられ振り向くと、そこには物腰柔らかい笑みを浮かべた男子生徒が立っていた。
薄い色素の髪が、窓から差し込む日光でキラキラ輝く。
あれ、この人さっき悠人と一緒にいた…。
ということは、体育館はグループ1の担当か。
「あ、私はエーミールと申します。一応、ここのグループリーダーをしています」
私が戸惑っているのを察したのか、慌ててエーミールさんは自己紹介をする。
そうか、見覚えがあると思ったら生徒会の方か。
『グループ4の宮本です、トントンさんに用があるんですけど…』
「あぁ！トントンさんなら、あちらの体育倉庫にいますよ」
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悠(プロフ) - 自分が設定してた自分の名前と彼氏の名前が一緒でややこしい事になってましたw奇跡。小説めっちゃ面白いです (2021年5月19日 23時) (
レス) id: 7e4efb4011 (このIDを非表示/違反報告)
ゆだ - 面白いですね (2021年3月1日 17時) (レス) id: e2d5e79f0c (このIDを非表示/違反報告)
きなこ - コメント失礼します。すごく面白いです！続きが気になるので更新いつまでも待っています！ (2021年2月2日 21時) (レス) id: 4b52fa3010 (このIDを非表示/違反報告)
カコ(プロフ) - コメント失礼します！このお話大好きです！更新待ってます！ (2020年11月3日 0時) (レス) id: e319902130 (このIDを非表示/違反報告)
ゴミ箱 - とてもいいお話ですね、読んでいて楽しかったです。更新はいつまでも待っています。頑張ってください！ (2020年8月16日 10時) (レス) id: c162b9accc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かまぼこ | 作成日時：2020年3月27日 22時
