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3日も経てば全校生徒に私の名前は知れ渡っていた。
そりゃそうだ。あの生徒会の下僕として全校生徒から選ばれたたった1人の人間だ。当選者をめぐってあの大騒ぎだったのだから致し方ない。
YN「…せめて隠してなければこんな事にならなかったんじゃない?」
「…ですね」
何も言い返せない私がいる。
あの後家に帰り騒ぎになる前にヨナにカトクを入れた。ヨナから帰ってきたカトクは意外にも心配してくれるような内容だったが、直接会うとこのように少し意地悪な事を言ってくるのだ。
YN「食事くらいゆっくりしたいわ」
「おっしゃる通りで…」
昼休みのお弁当を机で開いて食べている私とヨナの周りには人集りができている。
「ねえ!テヒョン様から何を頼まれるの!?」
「ジョングク様は昼休み何をしてらっしゃるの!?」
「ジミン君が何食べてるのか教えてよ!」
昨日からこの有様で。授業以外は常に人に囲まれている。
「守秘義務があります。何も言うなと会長から言われておりますのでどうぞお引取りを」
このセリフを昨日今日で既に70回くらいは言っている気がする。
「何よ偉そうに!」
「自分だけの生徒会気取りだわ感じ悪ぅ」
「ただ運が良いだけのど庶民の癖に」
舌打ちまで丁寧にしていくのだ。
良く言うわ。最強の悪運の間違いでしょう。
譲れるものなら譲りたいわ。
今日の朝に至っては下駄箱に生ゴミが詰められていた。伊勢海老の頭が混じっていたあたり、ど庶民とか言ってくる分類の人間が入れたに違いない。
YN「…私外行くわ」
「え、置いてかないで!?」
YN「大丈夫よ。あんたには生徒会のお守りがあるでしょ」
「全然大丈夫じゃないけど!!」
YN「そろそろ連絡くるわよきっと」
ヒラヒラと手を振りながら人混みの間をスルスルと抜けていく。
クールな所も好きだが、この状況で置いてくってどゆこと。確かに、この状況でずっと一緒にいて欲しい何て我儘は言えないが。
ため息をひとつ着くと嫌がらせのようにスマホが振動する。
パク・ジミン僕らを飢え死にさせる気?
丁寧に舌打ちしてしまった。
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作者名:あおさ汁 | 作成日時:2021年9月21日 14時