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だいぶ湿っているクジをスカートとお腹の間から出して渡すと、チョン・ジョングクの整った顔が引つる。人差し指と親指で摘むように受け取った。だいぶ失礼。
JK「……ねえ」
TH「あらら」
クジの中身を見た後、何だか目が座っているチョン・ジョングクとニヤニヤしながらこちらを見るキム・テヒョン。
いや、実際湿らせたのはあなた方というか。私は悪くないですよ。冷や汗かいた根本的な理由はあなた方でしょう
JK「粉々なんだけど」
「…へ？」
よく見ると黒い塊が4個、5個くらいの小さい点になっている。大きさは砂と変わらないくらいだろう。
「…元々そんな感じだったのでは？」
JK「米粒くらいのGPSだよ。こんなに粉々じゃないし、反応もしてない」
スマホを見ると星マークが消えていた。さっきは付いていたのにタイミングが鬼のように悪い。
HS「あれ、それって確かジョングクのお父さんが作った最新のGPSだよね。この間出来たばかりっていう」
JM「あー、まだ史上に出回ってないんだっけ。○○会社の最新作とか超ハイスペックじゃない？確か心拍や体温もわかるとか言ってたよね」
JK「値段にすると大体300万はかかってますね」
「冗談も大概にしてくださいよ」
全く笑えない冗談だ。そんな黒い米粒に300万なんてかかってるわけないわ。
TH「それ、まだ1つしか作られてないんでしょ？」
JK「そうです。研究費と材料費、人件費合わせたらもっといくかもしれないですね」
…そんなもんこんな下らないことに使うなよ
JN「壊した物は弁償だー」
「…ほ、本気で言ってます？」
JM「えー君払えるの？」
JK「この人、特待枠ですよ。庶民です」
払えるわけない。私はこの学園の9割の人間とは違って一般市民なのだから。内緒で勉強の合間にアルバイトもしている。本当は勉強する時間にあてたいのに。
「…勝手にクジ配って押し付けたのは誰ですか」
ボソリと呟きを聞きニヤリと笑うキム・テヒョン。
TH「そもそもお腹に隠すていで配ってないよ。器物破損で出るとこ出ても良いんだけどね〜」
ぐっ…そりゃ後ろめたいことが無ければ隠してなかったけど。後ろめたいって何だ。
JM「身体で、払って頂きましょうか。お嬢さん」
フワリと香る上品な匂いに目眩がしそうなほどの色気を振りまきながら私の肩に手を回すパク・ジミン。
また、冷や汗が滲み出てくる。
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作者名：あおさ汁 | 作成日時：2021年9月21日 14時
