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はるside ▽
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ーーーいつか白馬に乗った王子様が迎えに来てくれる
女の子なら誰もが思う、そんな将来の夢
「はーぁ…白馬の王子様なんて居ないのかなぁ…」
そう言いながら伸びーっと手を伸ばす
あみ『白馬の王子様なんてまだ信じてるの?』
そんなわたしを見ながら苦笑いをするお友達のあみ
「いや、分かってるよ、わたしだって」
こんな歳になってまでそんなこと考えてんの?
って自分でも思う。
「でもさ、女の子の夢じゃんやっぱり」
あみ『まぁね、でも結局は妥協だよ』
手元のグラスにささったストローで
くるくるとアイスティーを混ぜながらため息をつく
土曜日の夕方のカフェ
顔を上げると右にも左にも前にも後ろにもカップルカップルカップル…
まだわたしたち(これはあみも含め)が
ピチピチのJKだったら何も考えずに過ごしていたかもしれない
でも、そろそろ20代も半ばなわたしたちには
この状況が苦しくて仕方ない
「でもあみは良くない?まだいるじゃん、遊んでる人」
キッと睨むようにあみの顔を見る
あみ「遊んでるだけじゃね…ハハ…」
さっきのわたしと同じように遠くを見つめて
小さく笑うあみに、少しだけ同情した
「合コンとか…行くべきなのかな…」
あみ『でもわたしたちにはそんな物に誘ってくれるお友達はいないよ、はる』
「うっ…痛いところを…」
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作者名:うさぎ | 作成日時:2022年9月22日 2時