Epi=12 ページ14
「そういえば、智くんは何を話されてたの？」
翔くんが資料を見ながら俺に問いかけてきた。
だから、俺は当たり障りのない事だけをみんなに伝えた。
「んー？あれだよ、早急に二宮和也を見つけて連れ戻して来いって。」
「え、本当にそれだけ？」
「おう」
「…本当に？」
「だから、そうだって。」
「俺の目を見て言える？」
「おう、言える言える。」
「…」
俺がいつものようにヘラリと笑いながら翔くんに伝えると、翔くんは始めこそ怪訝な表情をしていたが、すぐに呆れた様に微笑むとまた資料と睨めっこし始めた。
そんな翔くんの様子に俺は内心で大きな溜息を吐きながら安堵した。
…本当の事なんか言えるわけがない。
＊＊＊
『…は？殺害命令？』
『そうだ。二宮和也を見つけ次第殺せ。』
『ですが、彼は俺のチームのメンバーです…！』
『…二宮は、昔一般人に手を出している。』
『なっ…！』
『しかも、二宮の事は櫻井が独断で連れて来たそうじゃないか。』
『そ、れは…俺だって櫻井の事を独断で連れて来ました！』
『それとこれとは話が別だろう？』
『っ』
『とにかく、二宮は見つけ次第殺せ。出来ないようなら、研究チームを派遣させるが？』
『…分かりました』
昔、人を殺めたからって何だ。
俺だってそうだし、そもそもニノが自分の意思でやった訳じゃない。
そうしなきゃ、あいつは生きていけなかったんだ…俺みたいに。
話もろくに聞きもしないで、勝手に決め付けるんじゃねぇ…！
「…だから嫌いなんだ…」
「？何か言った？リーダー」
「んにゃ、なんも〜」
―ピーンポーン
「誰だろう…」
「まさか、ニノちゃん！？」
「いや、それは無いんじゃ…」
「とにかく待たせるといけないから俺が出てくるよ。」
そう言って翔くんは立ち上がると玄関へと足を進めた。
その間に散らばっていた資料を片付けようと立ち上がった瞬間、玄関から物凄い音が部屋中に鳴り響いた。
俺達が慌てて玄関に向かうと、そこには…
「っ翔くん…！！」
目深に帽子を被った男にナイフを突きつけられている翔くんの姿があった。
翔くんの腕からは赤い液体が流れていて、斬り付けられたのだという事は明白だった。
「…お前、どうやってここまで入って来た…？」
そう、ここは晴嵐が管轄している地区にある建物で厳重なセキュリティーが備え付けられている為、こんないかにも怪しげな男が入ってこれる様な場所ではない。
すると男は、突然クスクスと笑い出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 459人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
櫻野 - 彰華さん» 彰華さん、ありがとうございます！これからも頑張りますのでよろしくお願いします！！ (2016年9月19日 19時) (
レス) id: ea1ba6d323 (このIDを非表示/違反報告)
彰華(プロフ) - 更新ありがとうございます！これからも楽しみにしてるので頑張って下さい！ (2016年9月19日 17時) (レス) id: c760cd9f12 (このIDを非表示/違反報告)
なおきち - 更新楽しみにしています！ (2015年8月27日 0時) (レス) id: 1ddcb36f48 (このIDを非表示/違反報告)
櫻野 - るるさん» わー！！本当ですか！？嬉しいです！！そちら共々、Callingをよろしくお願いします！！ (2014年5月31日 17時) (レス) id: d2de89155d (このIDを非表示/違反報告)
るる(プロフ) - 櫻野さん» 番外編も見ちゃいました(´^`*)こちらも楽しみにしてます♪ (2014年5月31日 16時) (レス) id: d3f35913f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：櫻野 x他3人 | 作成日時：2013年10月14日 14時
