番外編・記憶の落とし物-5 ページ48
政府の女役人は、娘を養子にして、審神者になるための学校に入れた。
その女役人が教師として勤める学校だ。
そして娘に秘められた神力に目を付けて、見習い研修のためのプログラムを作り上げた。
彼女なら、きっとできる……そう、思ったからだ。
「あの、お母さん」
ある日、娘は女役人に問いかけた。
「私の記憶を、変えることってできる?」
「……え」
突然のことに、咄嗟に反応できず、しかし言葉を反芻して、可能だと答えた。
「じゃあ、私の幼少期の記憶を、変えて。
審神者になったとき、きっと私は怖くなる。
あんな想いは嫌だ。
お願い、消さなくていい、変えてほしいの」
18歳になった娘は、じっと女役人を見つめる。
女役人は、少し考えて頷いた。
「いいわ。
変えてあげる」
女役人は政府の機器を借りて、娘の記憶を、娘の要望通りに変えた。
あの本丸の記憶を、別のものに置き換えたのだ。
あの本丸は、娘が政府に逃げたその次の日に解体された。
娘のもとにわたったのは骨喰からの手紙を残して。
“助けてくれてありがとう”
その言葉を残して。
「……さよなら、ごめんね」
手紙を抱き締めて、娘は、涙をこぼした。
そして、記憶を変えるために、部屋へと入った。
○°。.°。○°。
「ただいま、お母さん」
「……おかえり」
“本当の母親は覚えているの?”
娘は、母親のその問いかけに、顔をしかめる。
そして、はあ、とため息をついた。
「お母さんって結構嫌味な性格してるよね」
そして。
「はあ……めんどくさい。
答えないと、ダメ?」
そう言って、むす、と頬を膨らませた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2049人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
硝子屋梛霧(プロフ) - 僕，理数っ☆さん» 閲覧ありがとうございます！右目が黄色、左目が青です。 (2019年3月13日 7時) (
レス) id: 2cd0d38961 (このIDを非表示/違反報告)
僕，理数っ☆ - オッドアイの色は何色ですか~？ (2019年3月13日 0時) (レス) id: d73fedcf27 (このIDを非表示/違反報告)
琥雪国永 - この審神者のっとられればいいのに 続きお願いするぜ (2018年11月30日 10時) (レス) id: 67d7645157 (このIDを非表示/違反報告)
硝子屋梛霧(プロフ) - 伍目神さん» 個人的に、伍目神さんの意見に納得しましたので、訂正させていただきます。ご指摘ありがとうございました！ (2017年9月25日 18時) (レス) id: d7d1167bbc (このIDを非表示/違反報告)
硝子屋梛霧(プロフ) - 伍目神さん» 貴重なご意見ありがとうございます！なるほど、確かにそうですね……未プレイなもので、そういうことに疎く、申し訳ありません……!!私の中で神力と霊力は名前をつけて区別しているだけで、名称に関係は無いです……混乱させてしまい申し訳ありません。 (2017年9月25日 18時) (レス) id: d7d1167bbc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：梛霧 | 作者ホームページ：
作成日時：2017年8月17日 22時
