【刀剣乱舞】乗っ取る気なんてありません。彼らが勝手に着いてきてくれるんです。

1「一から百までめんどくさい」 ページ1

「見習いです……ええと、めんどくさいので研修要らないです、よろしく〜」

皆の前で自己紹介とか、小学生かよ、と心の中で呟く。
やる気が無さそうとか、思われたかな。
いやでも、これが私だし。

どうしよーもできないし。

……あーあ、審神者さん、そんな美麗な顔を歪めちゃってまあ……。

「……あなた、本当になにもしないの?
乗っ取ったりしないでしょうねえ?」
「え、しないしない。
私、この見習い研修すらしたくないし……はあ、私に審神者なんか向いてないって」

それでも、審神者さんはいぶかしげにこちらをみつめている。
うええ、めんどくさいなあ。

この可愛い可愛いナギちゃんが乗っ取る子に見えるんですか……?
……うふふ、加筆しすぎかなぁ。

……はっはっはっ。


…………うへえ、疲れた。
あー、もう休みたい。

「ふん。
どーせそんなこと言って乗っ取るんでしょ。
あたし、知ってるのよ。
今年の見習いはタチが悪いって」

……よく言いますなあ。

あんたこそ乗っ取った張本人の癖に。
こちとら珍しく上司に興味持って調べてきたんだぞ、おらあ。

「勝手に勘違いしないでよー」
「ふん、この半年の研修期間が終わったらすぐ追い出すんだからね」
「こちらからお願いしますぅ」

私がそう返すと、審神者さんはチッと舌打ちして、部屋へと戻ってっちゃった。

……って、え?

あれ、私、刀剣男士さんたちと一対多数?

うわうわ、それは流石に聞き流せないめんどくささ……ちゃちゃっと撤退しましょ。

私はくるりと彼らに背を向けてばびゅーんと自室へと走った。

これでも小学生の時は運動会のリレーでアンカーを押し付けられる位は速かったんだからな。
着いてくんじゃねえぞ……!!

なんて祈りながらね。

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