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『白石!白石!噴火警報が出た。直ぐに戻ってくるんだ!第二エリアへは自衛隊の…』
足元が崩れるように揺れ始めた。ー!!!
俺は目を疑った。
ザザッ…シーバーが鳴る
ザー『藍沢せ…』
『白石!』噴火した山からは白い煙が立ち込めていた
『白石!今から…』
『藍-沢先生!ザザ』くそ、煙と火山ガスの影響からかシーバーが使えないっ
揺れに合わせてケーブルカーが揺れているのがはっきりとみえた。
後ろの方で声がしサイレンが鳴り出したが俺は第二エリアへ駆け出していた。
頼む!間に合ってくれ
途中揺れと煙で前がみえずに何度か止まりながらも中腹で停まり揺れ続けるケーブルカーの下まで来た
『白石!』頼む気付いてくれ!蒸気とサイレンの音でとても声が届かない
その時、ふと光出したものに気付いた。着信だ…白石!
直ぐにそこから出るんだ。っ…!
揺れるケーブルカーの中で必死に掴まりドアを探す彼女がみえた
ーその時恐れていたことが起きたー
大きな揺れでケーブルが切れ大きく傾いた
幸いドアはまだ開いておらず彼女がしっかり掴まっているのがわかった
『し… ッ』声が出ない『しらぃ し …はやくっ手を離せ!』傾いたおかげで彼女との距離は2メーター程だろう
この頃にはあたりに小さい噴石が飛んできていた
もう時間がない!
俺はありったけの声で彼女を呼んだ 姿が見えなくなったらキャッチ出来なくなる
白石!
胸の衝撃とその暖かさを俺は忘れないだろう
ー
汗と涙で張り付いた彼女の前髪をかき分けながら
『ケガはないか?』
ざっと身体を確認すると右脚のふくらはぎあたりに裂傷があり出血していた。
俺は彼女の前へかがみそのまま背中へ乗せた。
一歩踏み出すと肺の空気が全て吐出されほとんど吸うことが出来なかった
彼女が耳元で何か叫んでるが応える余裕はなかった…
力が抜けるのがわかった
登るときにはどうやって登ったのか気付かなかった棚だ、があり背負ったまま降りるのは諦めた
先程まで居た施設はもうすぐこの下だ
俺は白石を少し横へずらして前に抱えた
そこで彼女の顔をみることが出来た。
「ぁいざ」彼女は俺の名前を呼ぼうとして咽て言葉にならなかった
彼女の顔をみたら信じられないほど落ち着きを取り戻せた。
『白石』俺は努めて優しく声を掛けた
『白石、歩けるか?』むせ続けている彼女に構わず続けた
『ここから降ろす。そのままっすぐ進んで施設へ向かうんだ』
彼女ならこう聞き返すだろう。あなたはどうするの…
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まる - 作品を作る前にルールをしっかりご確認下さい。オリジナルフラグをちゃんと外して下さい (2018年9月24日 21時) (レス) id: 78b22c1561 (このIDを非表示/違反報告)
yuuftykk(プロフ) - 続き気になります!!更新頑張ってください! (2018年9月8日 0時) (レス) id: 8306566024 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぇぷる | 作成日時:2018年9月4日 16時