騎士王と業火の姫君肆ノ章 (ページ1)

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最終決戦前編① ページ1

私たちが目を覚ますと世界は大災害が始まったというニュースで持ちきりだった。
慌てて浅草に戻る。
桜備大隊長たちには大事な時にいなかったことを少し怒られたけど、無事で良かったと言ってくれた。

そして柱を攻撃しようとしたジャガーノートの砲撃を受けて気絶していたシンラをオグンが連れてきた。
太平洋沖に出現した巨人は灰島の人が倒してくれたらしい。

それから3ヶ月が経ち、出現した柱は5本になった。
シンラは目を覚ましたものの様子がおかしく、昨日はついにシスターに暴力を振るったせいで今は鎖に繋がれている。
アーサーと話してて気付いたけど、それは確かに訓練校時代の噂のシンラにそっくりだった。
私とアーサーの関係は何も変わっていないけど、何かを察したようにアーサーが身体を求めてくることが多くなった。
リヒトさんの予想通り処女を失ったことで私は″生贄″の役割を果たさなくなったらしく、″アドラリンク″を使った治療の能力が使えなくなった。
この3ヶ月間の変化はそれくらいだ。

シンラが拘束されている部屋からガチャガチャという音がして、大隊長と中隊長が見に行く。
アーサーが気になるようなので私たちもシンラのところへ向かう。

アーサー「あ、戻ってる。
ようシンラ。今までどこ行ってた？」

まるで出掛けていたシンラが戻ってきたかのようにフランクに聞くアーサー。
私は訓練校の噂のシンラを知ってたから何となく理解してたけど、大隊長達には伝わってなかったみたいで首を傾げている。

アーサー「わからん奴だな。昨日までのアイツもシンラだがシンラじゃないんだ」

こればっかりは私も具体的に言葉に表すのは難しくてフォローできない。
考えるな、感じろって感じだ。
でも自分の見た目に気付いたシンラが騒ぎ出したことによって大隊長達も以前のシンラだとわかってくれたようだ。

外で染めた髪の毛を元に戻すシンラにアーサーと付き添う。
ヴァルカンさんも現れてアーサーの肩を持つ。

ヴァルカン「こいつはシンラの異変にすぐ気づいてたんだぜ。お前の異変も理解していたんだ」

シンラ「持つべきものは友だ！！アーサー！！」

アーサー「ふッ」

シンラ「…と、友ではない」

そろそろシンラも認めたら良いのになぁ。
シンラのこと1番理解してるのはアーサーだって。
そこにリヒトさんがやって来て、シンラがシスターを殴ったことを伝えた。

A「ぅ…」

カラー剤の臭いのせいか吐きそうになった私は席を外すことにした。