騎士王と業火の姫君弍ノ章 (ページ30)

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地下編① ページ30

第8に戻ってきてリヒトさんの調査結果を聞く。
敵の潜伏地は衝撃的な場所だった。

シンラ「ネ…地下(ネザー)…ですか…」

聖陽教の教えでは地下は太陽神さまの光が届かない″不浄の地″とされている…。
ぶるっと体が震えた。

桜備「今から向かうのは人工的に″焔ビト″を造っていら奴らの拠点となる場所！そこには必ず人体発火の謎があるはずだ！
これは鎮魂じゃない。命を懸けた戦闘だ」

体の震えがおさまった。
そうだ、私はクロウドを倒して弱い自分と決別するんだ。
大隊長がシンラに肩を叩きながら声をかける。

桜備「明日に備えよう」

そして解散となった。
アーサーは私の部屋に着いてくる。
最近はもうアーサーがどっちの部屋で寝るかはアーサーの気分次第になっている。
シンラにおやすみを言って別れる。

ちなみに第8に戻ってきてプロポーズのことマキさんとシスターに話したら散々キャーキャー騒がれたおかげでもう大隊長たちにまで公認になってしまった。
堂々と一緒の部屋で寝れるようになったけど…。
誰もまだ早いって止めなかったな。
私たちなら大丈夫、ってみんなが思ってくれているのだとしたら嬉しいな。

A「ねぇアーサー。私、明日クロウドを倒すね」

アーサー「お前は強い。大丈夫だ」

大丈夫の言葉が心強い。
まるで私の心が読めるかのように欲しい言葉をくれるんだ。

A「え？今、共鳴使った？！」

アーサー「？使ってないが…」

そうだよね、びっくりした。
カタカタと地震が起きる中、私はアーサーの腕の中で眠る。
1人だったらきっと怖くて眠れなかったけど、アーサーがいてくれたおかげで安心して眠ることができた。

次の日の朝、私はアーサーに起こされる。
朝は苦手だ…。
眠さにポヤポヤしながら着替えに部屋を出ようとするアーサーを引き止める。

A「我が騎士に神の御加護賜わらん。どうかご無事で」

どうした？と振り返るアーサーのネックレスに祈りを込めて口付けをする。

アーサー「何があろうとも心は姫のそばに。一生の忠誠をここに誓う」

そしてアーサーは私の指輪に口付けをした。
例え離れ離れになってしまったとしても必ずまた再開できると信じてる。
そのあと私の唇に触れるだけのキスをして、今度こそアーサーは部屋を出ていった。

私も気合い入れて準備しないと。
ヨガをしながら入念に体をほぐす。
今日は最初から髪を結んでいく。
第8のみんなの呼吸を感じる。
心はすでに戦闘モードだ。