騎士王と業火の姫君弍ノ章 (ページ23)

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浅草修行編② ページ23

さっきの紅丸さんのようにまずは手から炎を出して、一方向に纏めようとする。
これがなかなか難しい。
普段、私はイメージしやすいように指をピストル型にして指先に炎を集めてるから…、この手のひらいっぱいに出した炎をどうやって一方向に纏めるか…。
紅丸さんは指の形変えてたなぁ…。
試しにやってみるけど手の向きを変えただけで炎が弱まる。
うーん…困った。

シンラも足の炎を纏めるのに苦労してるみたいだ。
アーサーも吹っ飛ばされながら組手頑張ってる。
早く私も合流しないと。

地面に転がって手をグーパーしながら考える。
手の向きを変えただけで炎が弱まるのは片手じゃ扱いきれてないからだとする。
それなら両手を使えばいいのでは？
私は炎を出すと上から包み込むように重ねる。
うん、これなら出口が1箇所しかないから発射のイメージもしやすい。

A「かーめー○ーめーはー！！！」

そうして私が出した炎は気付いた紅丸さんがかき消してくれなかったら浅草の街を吹き飛ばすところだった…。
危ない…。

紅丸「これだけの威力が出せりゃあ上出来だ。お前も組手に加われ。お互いの命の呼吸を感じて戦えよ」

私は軽く息を吸うと目を閉じて集中する。
アーサーの呼吸を感じとる。
すると目を閉じているはずなのに目の前にアーサーが見えた。
アーサーが右に動く、目を開いて見ると本物のアーサーも同じように動いていた。
どうやら一歩先のアーサーの動きが読めるらしい。
一歩先のアーサーが攻撃をしかけやすいように敵を誘導して炎の玉を放つ。
一歩先のアーサーが後ろに身を引く。
先ほど習得した″命の呼吸火焔弾″を放つ。
紅丸さんからしたらさっきまでアーサーがいたところから私の必殺技が飛んできたようなものだ。
かき消されはしたが作務衣の裾が焼け焦げていた。

紅丸「おめェら、一体何が見えてる？」

アーサー「Aが次にどこを撃つかが見える」

A「一歩先の動きをするアーサーが見えます」

紅丸「…共鳴ってやつか。お前らのそれは武器になる。
磨いてけ」

頷く私とアーサー。
紅丸さんは少しシンラの方を見に行くと言うので私はアーサーにあるお願いをする。
少し渋い顔をしたアーサーだけど、私の覚悟を感じて了承してくれた。

アーサーと組手をしているとすごい砂埃が舞って、地面が抉れていた。
シンラも必殺技出来たみたいだ。
それからまた3人相手に稽古をつけてくれ、特に最初から紅丸さんと組手をしていたアーサーは疲れ切っていた。