騎士王と業火の姫君弍ノ章 (ページ22)

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浅草修行編① ページ22

今日は朝から火華大隊長、紺炉中隊長、カリム中隊長が来て話をしていると思ったら急に私たち3人も呼び出された。
今のままじゃ実戦不足な私たちに紅丸さんが稽古をつけてくれるらしい。
願ったり叶ったりなお話だ。

シンラ「ごめんください…第8のシンラです」

シンラが暖簾を上げて中に入ろうとすると、紅丸さんに首元に木の棒を突きつけられていた。

紅丸「実戦だと死んでるぞ。てめェら俺に稽古つけてもらいにきてんだろ。
気を抜いてんじゃねェ」

今度はシンラのことマヌケとからかったアーサーのおでこに木の棒が飛んでくる。
紅丸さんが振り返ったり、何か発したりする度にビクビクする私たち。
一挙手一投足に気を取られて何もしてないのに疲れてしまう。

紅丸「疲れるか？
そいつは命が懸かってねェからだ。緊張感そのものを感じてすぐのぼせちまう。戦場では命を感じろ。
テメェの命、仲間の命、相手の命。
命を意識すれば緊張感にそうそうのぼせることはねェ」

命を意識する。命を大事に。
第8のモットーだ！

紅丸「命を感じていれば簡単にスキは生まれねェ。
だがそいつは相手にとっても同じこと。だから不意打ちが一番効くんだ」

不意打ち。
私がクロウドを倒すにもやっぱり不意打ちが1番だろう。
幸いこの前会った時、私は何も能力を使っていない。
いつか必ず来る再会に備えなければ。

紅丸「それじゃ稽古をつけてやる。命が取られる気でかかってこい」

シンラ、アーサー、私3人がかりで攻撃するも全部軽くいなされる。
まるで読まれているようだ。
紅丸さんが居合手刀の手をしたのを見て、3人とも構えの体制に入る。

紅丸「もう十分だ。筋はまぁまぁだが当たる気はしねェな。お前らの攻撃には意外性がねェ。
足りねェモノがあるんだよ。なんだかわかるか？」

足りないモノ…私が欲しいモノ…相手を倒せる必殺技…。

紅丸「必殺技だ！！」

突然現れたリヒトさんによるとシンラの炎は無駄に多方向に拡散していて、それを纏めるだけで推進力が上がるらしい。
確かに目の前でそれを見せてくれた紅丸さんはすごかった。
私の炎の玉も同じじゃないかな。
今、紅丸さんが見せてくれた技を習得出来たら必殺技に出来る！！

紅丸「シンラは必殺技の練習をひたすら繰り返せ。
アーサーは能力自体が必殺級だ。俺と組手して基礎を鍛える。殺す気でこい。
Aは…もう自分で何か掴んでるようだな。それが出来たらお前も組手だ」

私たちはそれぞれの訓練を始めた。