騎士王と業火の姫君弍ノ章 (ページ15)

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素直に受け取ろうとしたシンラにそのお茶の缶を投げつけるヴァルカンさん。

シンラ「話くらい聞いてくれよ！！」

ヴァルカン「消防官の戯言は散々聞いてきた！
いまさら聞くことなんてない！！」

今度はアーサーの方に投げてきた。
それを近くにあった鉄パイプで華麗に打つアーサー。
野球ボールだったらホームランだったんだろうな。
現実は缶が破裂して自分に全部かかってたけど…。

持っていたタオルでアーサーの頭を拭いてるとビーと音が鳴って、ヴァルカンさんの雰囲気が変わった。
怖い顔して工房を出て行くヴァルカンさんを見て、シンラが外を覗く。
そこには第3の大隊長、Dr.ジョヴァンニがいた。

シンラとアーサーがドアをそっと開けながら会話をしている。
第3もヴァルカンさんを欲しがってるんだ…。
外の2人の話し声が聞こえてくる。
揉めてるみたいだ…。

アーサー「てやんでェどうするシンの字」

シンラ「ばーろー！！おちつけアーの字！」

2人とも浅草言葉気に入ってるなー。
またゆっくり行きたいなぁ浅草。
ヴァルカンさんとDr.ジョヴァンニの話が終わったようなのでこっそり工房に戻る。

シンラ「いいのか？灰島はますます圧力をかけてくるぞ」

ヴァルカン「テメェらには関係ねェだろ」

シンラ「関係あるよ。第8は他の消防隊の内部調査をするために結成された部隊だ…
組織のしがらみに囚われた隊とは違う！
純粋に人を救いたい！！だからヴァルカン、あんたの力になりたいんだ」

シンラの言葉には説得力がある。
やっぱりシンラはヒーローなんだね。

ピシャー

アーサー「すまん…ヘンなトコ触ったらヘンなんなった」

アーサー…。
何とも言えない顔をしたリス？の何とも言えないところから何とも言えないものが出ている。
そしてシスターまでうずうずしながら壁についてたボタンを押すと動物の首が飛ぶ。

ヴァルカン「″森のどうぶつシリーズ″のクビトビスイッチを！！」

シンラ「なんでそんな機能付けたんだよ！！」

ヴァルカン「しょせんメカはメカであるという戒めだ…」

アーサーはまだ何とも言えないリスを持ってオタオタしてるし、シスターはまだボタン押したがってるしカオスだ…。

ヴァルカン「あッはッはッは！！なんなんだ無茶苦茶しやがって…お前らホントに消防官か！？
わかったわかった、そんなに俺の造ったメカに興味があるのか？
だが何があろうと俺が消防官になることはねェ。
でもお前らもなんの収穫もなく帰るわけにはいかないんだろ？」