騎士王と業火の姫君弍ノ章 (ページ12)

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④ ページ12

A「生きたいよ…。私は…アーサーと生きたい…。
でもわからないの。大好きだった両親にすら、物心ついた時からみんなを守るために死ぬんだよって言い聞かされてた。大事にされてなかったはずじゃないのに。
だからきっと私には何かあるんだって余計に思わされた。
私が生きたいって願っても、ある日突然死んじゃうのかもしれない。それに私の大事な人はみんな居なくなっちゃうから…だから…」

大好きだけどアーサーとは付き合えない。
その言葉は声にならなかった。
アーサーが私の後頭部に手を回してキスしてきたから。
角度を変えて何度も何度も。
だんだん深くなるキスに私は為すがままにされていたが、さすがに息が苦しくなってアーサーに訴える。

アーサー「お前は俺が好きか？」

私を真っ直ぐ見据える青い目に嘘なんてつけない。
合った目が逸らせないまま、私はコクリと頷いた。

アーサー「ならその言葉の続きは言わせねェ。
ずっと言ってるだろ。例え何があってもAは死なせないし俺も死なない！騎士王である俺を信じてそばに居てくれ。騎士には姫が必要なんだ」

A「うん！…ね、アーサーは私のこと好き？」

アーサー「(涙目上目遣いは反則だろ…///)
…好きだ。もう離さないから覚悟しておけ」

かっこいいなぁ…。
一度認めてしまったら止まらない好きの思い。
この先何があるかわからないけど、最期までそばに居たい。

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第8のみんなと合流する。
ちょうどマキさんと火縄中隊長が伝導者絡みの施設を確認に行って戻ってきたところみたい。
施設は燃やされて証拠隠滅されてしまっていたそうだ。
私たちは第7の皆さんに挨拶をして第8に戻ることになった。

紅丸「紺炉、アレ持ってこい」

桜備「アレ？」

紅丸「皇国の消防隊は気に入らねェが第8は気に入った」

そう言って大隊長同士、日本酒を酌み交わす。
盃を交わして友好の証とする原国の同朋の儀式らしい。

にしてもお酒を飲んだ後の紅丸さんの笑顔すごかった…。
シンラほどじゃないけど私も一瞬笑ってしまった。

第8に戻るとそこには第8に科学班がいないから派遣されたという新隊員、灰島からきたヴィクトル・リヒトという白衣の男がいた。

あとがき
浅草編長くなって公開が遅くなりました。
アーサーとついにくっつきましたね。
ちょいちょい一悶着させつつ甘々な2人を書いていけたらと思います。
これからもお付き合い頂けたら幸いです！