騎士王と業火の姫君弍ノ章 (ページ11)

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③ ページ11

シンラ「…一緒にいれたら嬉しかったり、考えるだけで苦しくなったり、触れたいって思ったり、他の男と仲良くしてるところ見たら嫌だったり思う人のこと好きって言うんじゃね？って言った。守りたい、も思ったけどアイツに言うとややこしくなりそうだからやめた」

そう言うシンラは優しい目をしてるのにどこか寂しそうでシンラも好きな人いるのかなって思った。
その人のこと思いながら答えたんだろうな…。

シンラ「なんか俺だけすげェ恥ずかしい思いさせられて、アイツめっちゃすっきりした顔で寝やがった」

A「…心中お察しします」

シンラ「お前らもこれでついに付き合うのかァ。長かったなぁ」

どこか遠い目をしながら呟くシンラ。

A「ねぇシンラ…。付き合うって何？」

ピシリと音がしそうなほどシンラが固まった。

シンラ「彼氏彼女になるってことだよ！！お前ら元々なんで付き合ってないのか不思議なくらいだったからやることは今までとあんま変わらないかもしれないけど！！」

A「え、彼氏彼女になるの？なんで？彼氏彼女って夫婦の進化前みたいなもんでしょ？え、てかアーサーって私のこと好きなの？」

シンラ「お前ら…ほんと、まじ…。まぁあとはお前ら2人で話せって！」

そう言うとシンラは部屋から出て行った。
ギギギ、と隣を見るとぱっちり目を開けたアーサーと目が合った。
シンラめ…。

A「いつから起きてたの…？」

アーサー「シンラが何か叫んでる声で起きた。それよりも身体は大丈夫だったか？」

アーサーが優しく手つきで私のお腹をなぞる。
その手に自分の手を重ねて答える。

A「平気だよ。アーサー…。あの時、助けにきてくれてありがとう」

アーサー「当たり前だ。A、昨日話すと言っていたこと教えてくれるか？」

A「うん…。私、アーサーに謝りたくて。アーサーはいつだって私のこと助けてくれたのに私はその命、簡単に捨てようとしてた。ずっとどこかでもう″死にたい″って思ってた。私は″死ぬために生まれてきた″。この言葉に囚われて未来を見ようとしてなかった。助けてくれるアーサーのこと、何も考えてなかった。ごめんね」

アーサー「俺は騎士王だからな、この寛大な心で許してやる。その代わり約束しろ。もう″死にたい″だなんて思うな。お前は″死ぬために生まれてきた″んじゃない。俺と一緒に″生きるために生まれてきた″んだ。俺のために生きてくれ」

あたたかいなぁ。
溢れる涙を止められない。