Sleep.8 ページ8
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夏油の任務送迎が終わり、凝り固まった肩を回しながら2人で高専の門をくぐった。
少し休憩するか。そういえばこの間買ったコンビニスイーツが残っていたな。いや、アレは五条に食べられたんだっけ?
なんて、疲れた脳を過ぎる脳天気な目隠し野郎をホコリを払うが如く頭の隅へ追いやる。
高専の建物内に入ろうと、ふと聞こえてきた元気な声に校庭を見れば1年生と2年生がなにやらワチャワチャしていた。
何あれかわいい。
ボーッと見ていれば、丁度パンダに投げ飛ばされ宙を舞った虎杖くんとパチリと目が合った。
「あ」と虎杖くんの口が動いた。……と思えば、綺麗に受身を取り、ゴロゴロと転がった体は跳ねるように起き上がる。
「おーい!Aさん、お疲れ様です!」
相も変わらずスゴイ動体視力だと思う。ははは〜と緩く笑って手を振れば、「虎杖?私の事は見えていないのかな?」と後ろからひょこりと顔を出した夏油が意地の悪い顔で尋ねていた。
「アッ、いや、もちろん気付いてました!!夏油先生もお疲れ様です」
気付いていたと言う割には、最初の反応が物語っているような気がしたが、そこは見逃したのか夏油は機嫌の良さそうな返事をする。
どうせ休むって言ったって寝れないんでしょと言わんばかりに夏油にズルズル引きずられ、私も虎杖くんたち1年ズ&2年ズがいる校庭へと向かう。
「おーA、久しぶりだな。またクマ酷くなってねえか?」
「しゃけ」
「どうせ悟だろ?」
第一声から、真希ちゃん、棘くん、パンダの順だ。
2年ズは割と久しぶりの顔ぶり。2年生に進級してから補助監督の役割が分散されたのと、五条が担任じゃなくなったのが大きいと思う。
「クマはいつものことですう。そこのパンダ。黙れ」
誰に会っても何かしら五条の話題が出ることに、私と五条はそんなにセットなイメージなのかと嫌になってくる。
急に辛辣な言葉をかけられたパンダは「え、俺だけ扱い雑じゃね?」なんて2人に同意を求めていた。
「まあ確かにAがクマ酷ぇのはいつもの事か。私らが1年の時は悟のせいでストレス溜まりまくってたっぽかった
しな」
「君たちが1年生の時に限らずなんだよなあ」
一応高専時代からの腐れ縁ってやつだ。
よくもまあアレだけ自分を貶して(というのかは分からないが)いた人間と長い間一緒にいれるものだ。
確か私は普通に一般就職することも視野に入れていたのだが……。
「お疲れサマンサー!」
噂をすれば何とやら。
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もなか - 初コメント失礼いたします!五条がかっこよすぎるし、はぁ・・・私のところにも夜来てほしい。(絶対いい夢見れる) (12月14日 16時) (レス) @page13 id: bed5cc04c4 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - にぃ!さん» †┏┛墓┗┓† (8月12日 21時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
にぃ! - 神作!グハッ、誰か墓頂戴、 (8月7日 21時) (レス) @page7 id: 71597d68ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりんぎ | 作成日時:2023年8月4日 19時