Sleep.6 ページ6
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「俺が気付かなかったらどうしてたんだよ。ちゃんと誰かに言えよ。マジで馬鹿だろお前」
床に伏せていた私を軽々しく抱き上げた五条はその悪態をつく口調に似合わず、私をそっとベッドに下ろした。
「Aに呪術師なんか向いてねぇから。いつまでもザコだし。足でまとい。高専卒業したら車の免許取って補助監督にでもなれば?」
「ぁ」
目からボロボロと涙が溢れた。
五条の心無い言葉に傷付いたのはもちろんそうで、それでも私を心配してそう言ってくれていることが分かってしまったから。
私の目から絶えることなく流れる涙を見て、五条は一瞬だけ悲しそうに顔を歪めた。
そっと私の頬に手を這わせて、その手は私の目元で止まる。目尻をなぞるように、そっと涙を拭った。
「泣くなよ」
あんな乱暴な言葉をかけていたのに、私を心配するように揺れる青を、それでも酷いと責めることなんて出来なかった。
そっと不器用な手つきで五条が私の頭を撫でる。
壊れ物を扱うように優しく。それからその大きな手のひらで私の視界を覆う。
「寝ろ」
乱暴な、それでも優しさを含んだその声。
安心したのか、私の思考はすぐに微睡みに呑まれていった。
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もなか - 初コメント失礼いたします!五条がかっこよすぎるし、はぁ・・・私のところにも夜来てほしい。(絶対いい夢見れる) (12月14日 16時) (レス) @page13 id: bed5cc04c4 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - にぃ!さん» †┏┛墓┗┓† (8月12日 21時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
にぃ! - 神作!グハッ、誰か墓頂戴、 (8月7日 21時) (レス) @page7 id: 71597d68ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりんぎ | 作成日時:2023年8月4日 19時