Sleep.18 ページ18
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五条が任務の為にさっさと家を出ていき、私は身支度をして、6時に差し掛かる頃には高専に着くことができた。
昨日の五条の根回しの件、仕事を代わってくれた人にお礼と何か小さな菓子折りでも……なんて考えながら廊下を歩いていれば、後ろから「A」と呼びかけられた。
振り返れば、高専時代からの恩師こと現高専学長の夜蛾先生がいた。術師送迎の仕事の話だろうか。いや、その話を夜蛾先生自ら私にすることはないか。
何だろうと不思議に思いながら「はい」と返事する。
「4年生の奴らにこれを渡しておいてくれないか」
そう差し出されたのは、何枚か束になった紙だった。何か分からず首を傾げながら受け取れば、懐かしい文字が並んでいるそれは進路希望調査だった。
「なっつかしい〜」
「ああ、お前らも書いたな。
……あの問題児の中でも、お前のが特に印象強かったな」
「そうでしたっけ_____」
ひらりと、私の手元から1枚紙が落っこちる。腰を曲げてそれを拾いあげれば____
「……悪い。混ざってたか」
4年 阿波 A
第一希望から第三希望欄には、少し歪で力強い文字で『俺らと一緒にできる仕事』と書かれていた。
____『じゃあ、これでいいだろ』
____『は!?何勝手に書いて……』
____『お前の希望だろ。これが。あ、補助監督とかいいんじゃね』
____『じゃあそう書けよ!!何だよ“俺らと一緒にできる仕事”って!誰目線だよ!』
____『俺目線だろ』
____『主観的すぎるんだよ!うっわボールペンで書いたの!?消せないじゃん』
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もなか - 初コメント失礼いたします!五条がかっこよすぎるし、はぁ・・・私のところにも夜来てほしい。(絶対いい夢見れる) (12月14日 16時) (レス) @page13 id: bed5cc04c4 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - にぃ!さん» †┏┛墓┗┓† (8月12日 21時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
にぃ! - 神作!グハッ、誰か墓頂戴、 (8月7日 21時) (レス) @page7 id: 71597d68ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりんぎ | 作成日時:2023年8月4日 19時