Sleep.17 ページ17
.
「ほらーお寝坊さん、朝だよ」
眠りから覚める時、現実に引き戻される感覚は、脳みそを引っ張られるようにも感じる。
頬を撫でる温もりに擦り寄ろうとして、寝ぼけた頭でもそれはダメだと踏みとどまる。
薄らと目を開けば、見慣れた美丈夫が視界に映った。
……五条だ。
あれ、私いつ寝たんだっけ。
記憶が混同して、曖昧だ。
五条の任務に連れていかれて、私の家に向かって、それで＿＿＿＿。
家に着いて車を降りた瞬間から記憶が無い。多分そこで倒れたのだろう。だとしたらだいぶ眠ったんじゃないだろうか。
枕元のスマホを起動すれば、4時と表示される。朝。
お寝坊さんと言うほどの時間では無いが……。
「まっ……え？
昨日五条に強制的に仕事無くされたのがお昼近くだったよね？朝の4時？嘘でしょ？10時間以上寝てる？」
「そーなんだよねえ。お前起きないからさあ。
Aってそんなに寝れたんだね」
あまりにも不眠症の期間が長すぎて、こんなに長く眠ったのが久々すぎて、困惑してしまう。
確かに疲れは取れている気はする。たぶん。
いつぶりだろう。こんなに眠ったのは。
起き上がり、伸びをすれば、肩や腕から骨が軋む音がした。凝り固まった体をほぐすように手足を動かす。
寝起きの倦怠感は、きっと疲れからくるものではなく眠りすぎた故のものだろう。
体はまだ重いのに、気分がいやにスッキリしている。深呼吸すれば、体温よりも冷たい空気が体内を巡るのが分かった。
「ありがとう、五条」
「んー？なぁに珍しいね。どうしたの？」
「いや、別にぃ。まあこれでもう五条が私のとこに毎晩来る必要も無くなったかもね」
へへっとはにかめば、一瞬キョトンとした五条が、次の瞬間には、きゅっと眉をひそめて何かに耐えるような表情をする。
「Aは僕がいないと寝れないよ」
「何その断言。こわ。どっから来るのその自信」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 932人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もなか - 初コメント失礼いたします！五条がかっこよすぎるし、はぁ・・・私のところにも夜来てほしい。（絶対いい夢見れる） (12月14日 16時) (
レス) @page13 id: bed5cc04c4 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - にぃ！さん» †┏┛墓┗┓† (8月12日 21時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
にぃ！ - 神作！グハッ、誰か墓頂戴、 (8月7日 21時) (レス) @page7 id: 71597d68ff (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えりんぎ | 作成日時：2023年8月4日 19時
