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Sleep.15 ページ15

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私を刺す五条の怒気が痛くて、じわりと涙が滲んだ。私からふっかけたクセに、こういう本当のケンカみたいなのは苦手だ。いつもみたいな、軽口の言い合いじゃない。


それが、怖くて、たまらなく悲しい。


普通なら、このまま大喧嘩の流れだろう。プライドの高い五条にあんなことを言ってしまえば、絶縁になってもおかしくない。


それでも何故か、五条が二の句を継ぐことは無かった。





かと思いきや、スっと腕がこちらに伸びてくる。反射で身を固くしていれば、私の手に握られていたプリントを半ば強引に奪い取られた。


「ちょ、」

「お前が、これだけ書き直してんのは、気持ちが固まってねえからだろ」


骨ばった指が、トントンとプリントの第1希望欄、何回も書き直してん黒ずんだそこを指さす。


「だから悩んでるって言って____」

「何悩んでるのか知らねえけど、どうしたいのかくらいの気持ちはあるだろ。確かにお前は弱い。ザコだし、弱ぇクセにすぐ前線に飛び出していくし、自分の身ひとつ守れねーくせに、誰かを助けようとする」


喉がひくついた。
オーバーキルだ。悩んでるのは私なのに、なんでこんなに悪く言われなきゃならないんだ。


「でも____そんなお前に救われた奴も、確かにいる」


五条の曇りのない眼が、見透かすように私を見た。
自信と力に満ち溢れた五条に私の気持ちなんて分かるわけない。そう思っていたのにそんな気持ちも忘れるくらい、目を奪われる。


「呪術師続けてくんは難しいかもしれねえけど、自分の力不足に辟易する前に、お前に見合ったもん見つけろよ。
大事なのはAの意志。それと均衡がとれるように考えるのは後からでもいいだろ」

「_______」





暴論だ。

世の中はそんなに甘くない。自分のやりたいことをして生きれるならどれだけ楽か。言ってることもめちゃくちゃだし、私の意思を尊重したとしても無理なものは無理。
何も解決しない子供じみた考え。

なのに、何でこんなに勇気づけられるのか。
何でこんなに、涙が溢れそうになるのか。

認められたみたいだなんて、自意識過剰にも程がある。


「お前、いっつも泣いてんな」


うるさい。
まだ泣いてない。

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟   
作品ジャンル:恋愛
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もなか - 初コメント失礼いたします!五条がかっこよすぎるし、はぁ・・・私のところにも夜来てほしい。(絶対いい夢見れる) (12月14日 16時) (レス) @page13 id: bed5cc04c4 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - にぃ!さん» †┏┛墓┗┓† (8月12日 21時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
にぃ! - 神作!グハッ、誰か墓頂戴、 (8月7日 21時) (レス) @page7 id: 71597d68ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えりんぎ | 作成日時:2023年8月4日 19時

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