Sleep.1 ページ1
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「ねえ、起きてる？」
目をつむって、脳内で羊に柵を跳ばせるところ実に1000匹を達成したのは、このウンザリするほど聞き慣れた声が聞こえる数分前だった。
その時に薄ら目を開けて見た時計の針は宵闇の中でも確かに12時をさしていた。
12時。
12時である。普通夜中に人の枕元、いや寝室にズカズカと入りこんで声をかけてくる奴がいるだろうか。
実際今すぐ近くにいるのでは？という正論は断じて受け付けていない。
ちゃんと鍵も閉めたはずなのに、何故入ってこられるのか、なんて。
そんな分かりきっている事をもんもんと考える。鍵も閉まっていて音もなく私の枕元に来れる人なんてアイツしかいないのだ。
しかし頑なに目は開かない。こうなったら意地でも寝たフリ決め込む。
さすがに寝ていると分かったら帰ってくれるだろう。いや、寝てなくても帰ってくれ。
そんな一抹の希望を抱きながら時間が過ぎるのを待つ。
「えー起きてないの？寝ちゃった？ねえねぇ」
そう。寝ちゃった。私寝ちゃったから帰れ。
受け答えしない私に、ソイツは肩を竦めたようで、身動きする。
お、帰るか。なんて、油断したのがいけなかった。
「しょうがないなー。お前のために連れてきた蠅頭、添い寝させとくね」
「やめろ！バカかお前！」
跳ね起きた私が、瞬時に彼の手の中にあった蠅頭を殴って祓う。表面は柔らかく、中は硬いようや変な感触を拳に感じ、次の瞬間には祓えたのか消えていく。
蠅頭を持っていた張本人の五条は、「お、起きてた」なんて、怒り狂う私に構わずにニヤニヤと気持ちの悪い笑みを浮かべている。
マジで蠅頭持ってきてやがったコイツ。
私が蠅頭苦手なん知ってるくせに。
「狸寝入りなんて酷いじゃーん」
「酷かねぇわ。もう、お前、マジで」
はぁーーーと長いため息を吐けば、「え？疲れてんの？歳？」なんてデリカシーの無いことを真顔で言ってきた。殴ろうかと思った。
「どうせ今日も寝れないんでしょ？この僕が添い寝してあげるよ」
ホラ、と腕を広げる五条を押しのける。
添い寝の意味わかってんのかお前。それハグの構えだろ。
「いらん。帰れ」
「辛辣だなあ、もう」
僕がいないと寝れないクセに、と語尾にハートが付きそうな言葉に嘔吐きたくなった。
「そんなんじゃない」
強がりみたいな言葉は、小さく掠れて消えた。
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もなか - 初コメント失礼いたします！五条がかっこよすぎるし、はぁ・・・私のところにも夜来てほしい。（絶対いい夢見れる） (12月14日 16時) (
レス) @page13 id: bed5cc04c4 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - にぃ！さん» †┏┛墓┗┓† (8月12日 21時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
にぃ！ - 神作！グハッ、誰か墓頂戴、 (8月7日 21時) (レス) @page7 id: 71597d68ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ | 作成日時：2023年8月4日 19時
