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ご飯まだでしょ？と聞けば、呆然と様子で松田くんがコクリと頷いた。
きっと仕事が終わって、しかも営業もしていない店の前で待たされた松田くんは腹ぺこに違いない。そんな中、多分遠いと思われる家に帰すのは悪い気がした。
私の提案に、家すぐそこだから大丈夫、なんて返さないあたりあながち間違った予想では無いはずだ。
それに今日の件は萩原くんのせいでもあるが私のせいでもある。タダ飯という条件につられてしまった私にもきちんと非はあるのだ。
と、なるとこの店のすぐ近くのうちの方がさくっとお腹を満たすことができる。
マンションの一室の鍵を開け、どうぞと松田くんを入れる。ここに来るまで口数が少なかった松田くんだがそれは今も継続中でいつもとは違う素直さを見せている。
狭い玄関が松田くんの身長が高いのも相まっていつもよりもずっと狭く感じた。
「……お邪魔します」
人の家に入る時にちゃんとお邪魔しますっていうの律儀か。いい子か。
感心しつつ、松田くんに適当にそこら辺に座ってて、と促し私はキッチンへ向かう。
松田くんは何だかソワソワしていて落ち着かないようだった。まあ人の家って落ち着かんよね。分かる分かる。
戸棚からお目当てのものを出し、早速料理を始める。
＿＿＿＿
『できたよ』
数分後、作り終わり一声かければ、松田くんが俊敏な動きで視線をあげる。
さながらご飯だよ〜という声に反応する犬。ピンと張る耳が見えた気がする。いや、松田くんに犬って表現は可愛すぎるか？ドーベルマンとか？
お皿を持っていき、机にコトリと置く。松田くんはそのお皿に乗った料理を凝視し、
「なあ」
『何？』
「レトルトにしか見えねえんだけど」
『レトルトですが？？』
見ればわかるでしょレトルトのカレーだよ。
そう言い切れば松田くんは片手で顔を覆い、重いため息をついた。何だその反応。失礼じゃなかろうか。
「いや……期待した俺も悪かったけど……。いやまあこんな短時間で作れるはずねぇよな……はあ……」
松田くんが小さな声で何か言っているが聞こえないので無視しておく。何だよ文句あるのかよ。
箸を持っていただきますと食べ始めれば、「お前いつもこんなんばっか食ってんの？」と何とも言えない顔で言われる。
『え、うん。そうだけど』
「自炊！しろ！体に悪ぃな！」
「いや料理できないし」
そう言えば松田くんの呆れたようなため息がまた部屋に大きく響いた。
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✧︎ - 本当に好きすぎて一気読みしてしまいました…素敵な作品をありがとうございます！！ (4月14日 1時) (
レス) @page50 id: 28351a5556 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - あわさん» はわわわ神作？神作なんて言ってもらえるんですか……？すごく嬉しいです！私の文章力で松田陣平の素晴らしさを伝えきれているのか分かりませんが……笑 更新頑張らせていただきます💪 (2023年4月16日 18時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 素晴らしい…神作すぎる…更新待ってます！ (2023年4月16日 8時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - ？？？さん» ひぇぇ好きだなんて言って貰えるなんて……ありがたいです！続き書きます！そちらこそ体調に気をつけてくださいね(*´﹀`*) (2023年2月26日 17時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - アリアさん» 本当ですか！？そう言ってもらえるなら喜んで続きを書かせていただきます(^ - ^ )コメントありがとうございます！ (2023年2月26日 17時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ | 作成日時：2023年2月22日 17時
