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『ちょっと！何すんの！？』
隣に並べば、顕著に出る松田くんと私の身長差。急に取り上げられた携帯につられるように松田くんを見上げれば、サングラスの奥で切れ長の瞳が細まったのが分かった。
『……何で松田くんに連絡先交換うんぬんで口出されなきゃいけないの？』
その冷めた視線に一瞬怯んだが、これに関しては松田くんが悪い。負けじと睨み返す。それに別に私が誰と連絡先を交換しようが松田くんには関係の無いことだ。ハッキリそう言えばさらに松田くんの視線が冷ややかになる。
松田くんはその視線をゆっくり垣田くんに向ける。次の瞬間私の視界がグラりと揺れた。
それが、松田くんに腕を取られ、引き寄せられたのだと分かったのは、呆気に取られたような垣田くんの表情が見えた後だった。
「コイツ俺のだから」
『少女漫画やめろ！！』
なんだコイツ！今日おかしくない？
何参考にしたらこんなベタなセリフ言えるの！？
急に熱くなった顔を隠すように叫べば、「お、照れてる」なんてどうせニヤニヤしているであろう松田くんの声が上から聞こえた。
そういうとこだぞ松田陣平！！
「ってことだ、垣田。どっか行け」
シッシッ、と邪魔者を追い払うような口調で松田くんがそう言えば、垣田くんは苦笑いして、「そっか、悪かったな松田」と、萩原くんの方へ言ってしまった。
『何してくれてんの、松田くん！垣田くん困ってたじゃん！』
「へーそれは大層なこった」
『はあ、せっかく新しい恋できそうだったのに……』
垣田くんいい人そうだったし、好きになるかはさて置き、ゆっくり話してみるくらいはしてみたかったのになあ。
ため息を吐けば、松田くんが小さく反応する。なんだ、と顔を上げれば、大きな片手で両頬を掴まれた。思わず『んむっ』と声が出る。
見上げた松田くんの顔は不機嫌そうに歪んでいた。
「別に垣田じゃなくていいだろ
Aは俺にしとけ」
『〜っ！』
さっきの冷めやらぬ熱もそのままに、顔に火がついたように熱くなる。
ダメだ、これは。
次の瞬間、私は松田くんの胸を強く突き飛ばしていた。
「っ、なんだよ」
『ま、』
「ま？」
『松田くんのバカぁッッ！！』
クルリと踵を返し、私は逃げるように駆け出す。
後ろから引き止める声が聞こえるけど、私はもうキャパオーバーだ！走って家に一直線。これぞ逃げるが勝ち。
うわあああんっ！松田くんのばかああああ！
思わせぶりサングラスやろぉぉぉぉぉ！
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✧︎ - 本当に好きすぎて一気読みしてしまいました…素敵な作品をありがとうございます！！ (4月14日 1時) (
レス) @page50 id: 28351a5556 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - あわさん» はわわわ神作？神作なんて言ってもらえるんですか……？すごく嬉しいです！私の文章力で松田陣平の素晴らしさを伝えきれているのか分かりませんが……笑 更新頑張らせていただきます💪 (2023年4月16日 18時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 素晴らしい…神作すぎる…更新待ってます！ (2023年4月16日 8時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - ？？？さん» ひぇぇ好きだなんて言って貰えるなんて……ありがたいです！続き書きます！そちらこそ体調に気をつけてくださいね(*´﹀`*) (2023年2月26日 17時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - アリアさん» 本当ですか！？そう言ってもらえるなら喜んで続きを書かせていただきます(^ - ^ )コメントありがとうございます！ (2023年2月26日 17時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ | 作成日時：2023年2月22日 17時
