・ ページ13
.
「じゃあ自己紹介ね
俺、萩原研二、よろしくね!」
「……松田陣平」
「俺は、垣田慎介。よろしく」
ぬぅわんでこうなるかなあ。
半ば強引に引きずられるように席に着いたのが数分前。私にとっては地獄の、合コンとやらが始まってしまった。
死んだ目で前に座る松田くんから必死に目をそらす。対して松田くんからは突き刺さるような視線を感じた。
絶対見てる。視線が痛いってこういう事なんだな。
もう本当に勘弁して欲しい。
冷や汗だらだらなまま前方へ気を取られているうちに、男子陣の自己紹介も右から左へと抜けていく。
いやもう、最後の人に限ってはどなたですか。初めましてですねお名前何て言いました?俊太郎さん?
そもそも合コンとは知らない人とするものなのに3分の1が知り合いのせいで逆に知らない1人が自分の中でぷかぷか浮く。
そんな現実逃避気味の思考をしているうちに自己紹介の番が回ってきて、『高瀬Aです』と無難に名前だけ言っておいた。
「それにしてもAちゃん久しぶりだね!元気してた?俺らと会うの高校卒業ぶりじゃない?」
ひぃぃぃやめて!萩原くん!話しかけないで!
今全力で空気になってたのに!
「いや、俺はこの間の同窓会でコイツと会ってるから」
喋るな松田陣平いいぃぃぃぃ!
「あ!そうなんだ。通りで」とひとりで納得する萩原くん。私といえば、『はは、久しぶり』と死んだ目で言うしか無かった。
すると、隣からトントンと肩を叩かれる。何だ何だと横を見れば、キラキラした目の友達2人と目が合った。
「なになに!?A2人と知り合いなわけ!?」
『え、あーうん。一応』
「何で言ってくれなかったの!?」
何で言ってくれなかったのも何も。来る人の名前も何も知らんかったんですが。知ってたら意地でも来なかったのに。
遠い目をして、2人からの怒涛の勢いに飲まれていれば、真ん前から「てかお前彼氏いるんじゃなかったのかよ」と声がした。真ん前の席なんてサングラスの彼しかいないんですが。
630人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
✧︎ - 本当に好きすぎて一気読みしてしまいました…素敵な作品をありがとうございます!! (4月14日 1時) (レス) @page50 id: 28351a5556 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - あわさん» はわわわ神作?神作なんて言ってもらえるんですか……?すごく嬉しいです!私の文章力で松田陣平の素晴らしさを伝えきれているのか分かりませんが……笑 更新頑張らせていただきます💪 (2023年4月16日 18時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 素晴らしい…神作すぎる…更新待ってます! (2023年4月16日 8時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - ???さん» ひぇぇ好きだなんて言って貰えるなんて……ありがたいです!続き書きます!そちらこそ体調に気をつけてくださいね(*´﹀`*) (2023年2月26日 17時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎのバター炒め(プロフ) - アリアさん» 本当ですか!?そう言ってもらえるなら喜んで続きを書かせていただきます(^ - ^ )コメントありがとうございます! (2023年2月26日 17時) (レス) id: 61116f8e5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えりんぎ | 作成日時:2023年2月22日 17時