高校時代にフラれた相手と同窓会で再会した【松田陣平】

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「連絡先交換しよーぜ」

『え、あ、うん。いいけど』


歯切れ悪く戸惑った返事をしてしまったのは、今日で私たちの関係も終わりだと思っていたからだ。

高校時代にすれ違っていた私たちの気持ちのすり合わせがようやく出来て、そうだったんだね、うふふ、と私たちの関係は綺麗に終結すると。

これで昔のこと引きずるのは終わりにしようと思ってたのに。




本当は、同窓会には参加しないでおこうかな、なんて思っていた。そんなに思い入れのある人が、松田くん以外思い浮かばなかったから。

そんな当の松田くんも、気まずいまま高校を卒業したっきり会っていない。
今更同窓会という場で会ったって、私たちの関係はまだ良いものでは無いはずだ。時間が経っているからと言って、水に流すどころか、もっと凝り固まってこびり付いているに違いない。


それでも、今だにあの頃の気持ちに囚われ、微量の恋心を残したままでいる私を変えられるなら、1歩踏み出せるならと、区切りをつけにきたはずだった。



話せなかったら、話せなかったでいい。
来なかったなら、来なかったでいい。



これは区切りだ。松田くんにまだ抱いている恋心を本当に無くしてしまうためだから、って。


それなのに松田くんの姿は会場に行けば意図も容易く見つけることが出来て、



“よぉ、高瀬。久しぶりだな”



そうやって何事も無かったみたいに、高校の時みたいに、私に話しかけてくれた。

それがこんなにも嬉しくて、当時同じ気持ちだったことが痛いほど嬉しくて。

それでも、今日で終止符をうつと決めた気持ちだ。

連絡先は、交換する。でも、絶対連絡はしないでおこう。






もう、終わりにしなきゃ。

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