おまけ。１ ページ31
章大side
閉店した今年になって。
まさかAが来てくれるなんて。
俺は毎年七夕になると、
来てはくれへん織姫に会いに、
cafe昭和堂に来て。
マスターに戻って、珈琲を挽いてた。
もう今年で５回目になるんかな。
令和４年７月７日七夕。
別れたあの日から、
長い長い年月が流れたのに。
目の前のAは、
あの頃と何ひとつ変わらへん気がした。
「マスター・・・」
俺を見たAは、一番最初に、そう呟いた。
付き合ってた最初の頃の呼び方。
段々と、名前でしか呼ばへんなってたのに。
久しぶりとか、元気やった？
とかさ。
この場面に相応しい言葉、
他にあるんやろうけど、
何にも浮かばへん。
「・・・A。
濡れるから。入り」
絞り出すように出てきたんは、
いつまでも忘れられへん子の名前と。
そんな陳腐な言葉だけ。
A、驚き過ぎて、固まってしもてる。
手にしてる水色の傘も、
なんの役に立ってへん。
俺の方から、狭い路地に飛び出した。
もう他に決まった相手がおるやろ。
多分、結婚もして、子供もおるかもしれへん。
離れてる間。
ずっと自分にそう言い聞かせてきたのに。
今は何も考えられへん。
その冷え切った手を繋いで。
店の中へと・・・
建て付けの悪なってる引き戸を、
なんとか閉めた瞬間に、
抱きすくめてた。
「会いたかった・・・。
Aが来てくれんの、
ここでずっと待ってた」
「章大？」
腕の中で、Aが息を呑む。
迷惑に決まってる。
俺のせいで別れて。
６年近くも離れてたくせに。
いきなりこんな事、言われてもな。
再会のハグって言おう。
そうしようって思うのに。
「いきなし、ごめん。
けど。
雨やのに織姫さんに会わせてもらえるなんて。
神様が俺にご褒美くれた気がしてもうて。
・・・ごめんな」
降り積もってた自分の想い、
ぶつけてしもた。
きっと、もう二度と、触れることもない。
最後の七夕になる。
腕を解こうとした時。
「・・・んと？」
かすかに、そんな声が聞こえた。
「ん？なんて？」
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みき(プロフ) - 更新ありがとうございます！加筆も嬉しいです！やすくん、嫉妬してて可愛いです(*/∀＼*) ずっと1人でいてくれた一途さも嬉しい！私も最近Exciteのクリスマス・イブの映像観てました♪全編やすくんで観たいです！いつの時も魅力が♪甘々でキュンキュン楽しみですー！ (2020年12月17日 13時) (
レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - たしかに、本編としては再会で終わった方がしっくりきますね。でも続きも読みたい野次馬心で楽しみにしています。 (2020年12月14日 22時) (レス) id: a8bccc7358 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます♪ついに…とドキドキしてます…読んでる私も心臓が…\(//∇//)\ やすくん、自分を抑えてたんですね！ 勝手に焦らされてました笑 foolさんの書きやすいやり方で構わないですー！本編完結おめでとうございます！おまけ嬉しいです〜(^-^) (2020年12月14日 15時) (レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます。やすくん、甘えたり拗ねたり焦らしたり(?)、もう〜笑(*/∀＼*) 6年経つと身体のラインも変わるので女の子は不安になりますよね…でも絶対やすくんは気にしてないですよね〜！可愛いキレイって褒めてくれそう♪恋のABOも読ませて頂きます〜！ (2020年12月13日 14時) (レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
そら - いつも楽しみに読ませていただいてます。やすくんとの甘々で続きが気になります。 (2020年12月12日 11時) (レス) id: 2b5de941a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2020年11月6日 21時
