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扉が開いて、閉まって、
車のドアが、また、開いて、閉まる。
エンジン音。
全ての音が、私を傷付ける。
やがて、それも遠ざかり、
マスターの温度が消えていく。
奥の座敷まで、ふらふらと歩く。
畳の上に座り込んだら、
涙が後から後から溢れ出した。
「嫌っ、嫌だ。嫌っ、章大、
マスター、マスター、マスター、」
ただそれだけ、繰り返して。
喉が焼けつくように痛い。
自分の体を自分で支えきれなくて、
ばらばらに壊れてしまう気がした。
日が暮れるまで、
ひとしきり泣いて、
もう涙も枯れ果てて、
壁にもたれてるだけ。
窓から、夕陽が差し込んでくる。
眩しさに目を細めた時、
扉が開いた。
マスター、戻って来てくれたの？
だけど、
「Aちゃん。
留守を預かってくれておおきにな」
cafe昭和堂の、本物のマスターの声に、
そんな淡い期待は呆気なく消えた。
「ただいま、やっぱり大阪が一番やわ」
奥さんも一緒だ。
「章大は？もう戻ったんか？」
慌てて、涙の跡をぬぐって、笑顔を作る。
「はい、さっき。
オーナーによろしく伝えて下さいって」
「そうか。
ほんまに助かったな。
持つべきもんは、ええ甥っ子や」
「マスターは、
オーナーの甥っ子なんですか？」
「そうやで？
章大の爺ちゃんの妹の子供が俺や。
正確には甥っ子とは違うか。
あいつ、何も言うてへんのか？」
「何も聞いてなくて・・・」
「章大だけやと不安やってんけど、
Aちゃんがバイト引き受けてくれてたから、
安心して、のんびりさせてもろたわ」
「私、バイト、引き受けてましたっけ？」
「ここで働きたい。
働けたら幸せ。
毎日のように言うてくれてたやんか。
ほんならいつでもおいで、言うてたやん」
「そうですけど・・・」
「大学出たら、
ここで働いてくれたら嬉しいのになあ。
あんまり時給出されへんしなあ」
全部、口約束かと思ってた・・・
「まあまあ、その話は後にして。
Aちゃんにもお土産あるんよ。
好きなん、選んで」
奥さんが、畳の上に広げたスーツケースの中には、
タヒチのお土産がいっぱい。
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美穂(プロフ) - マスターも更新！有難うございます。 (2020年10月12日 0時) (
レス) id: f4c26da760 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - foolさん、更新ありがとうございます！！待ってましたーー！！マスター会いにきてくれて2人がクリスマスを一緒に過ごせて嬉しいです。今、最初からまた読み直してみました。幸せな気持ちと切ない気持ちとまた幸せな気持ちと…色んな感情が…今後も楽しみにしています。 (2020年10月11日 22時) (レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ついに…やすくん来てくれたんですね！！ちょうど良いところで続きに…(*/∀＼*) 主人公も東京の会社に就職とは！やすくんと距離も近くなれそうな…！そわそわしてきました！笑 続きも楽しみです！ (2020年5月14日 2時) (レス) id: 22258ff530 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます。大阪のライブのあと2人が会えますように…ハラハラドキドキしてます。メンバーの中に相談できる相手が居て良かったです！｡･ﾟ(ﾟ⊃ω⊂ﾟ)ﾟ･｡ (2020年5月12日 13時) (レス) id: 22258ff530 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - マスター私も会いたいよー！会いに来てー！ (2020年5月11日 22時) (レス) id: a8bccc7358 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2020年3月4日 7時
