恋人の事情。１ ページ31
Aside
時は無情に、
刻々と流れ、
遂に、恐れていたその日がやって来た。
９月１１日。
今日は、マスターの２９歳の誕生日。
二人でお祝いしたかった。
特別なことはしなくてもいいの。
いつもより少し豪華なご飯を作って、
ケーキも忘れずに。
ろうそく吹くの、似合わないだろうな。
そこを激写するんだ。
行かないで。
ここにいて。
すがって、泣いたなら。
マスターはなんて言うだろう。
目の前の彼は、
まるで知らない人みたい。
眼鏡を外して、
髭を剃って、
短くした髪を明るい色に染めて。
可愛らしいカラフルな洋服に、
身を包んでる。
年より幾つも若く見える、
少し少年っぽさを残した、
アイドル、そのもの。
迎えの車が来るまで、あと10分。
泣かないで、
ちゃんと見送ろうって決めてたのに。
何か話したら、もう、
喉が壊れそうに震えてる。
こんな思いするなら、
出会わなければ、良かったの？
「好きになったらあかんのに」
天の川を見に行ったあの日の、
帰りの車の中の、
マスターのひとりごとを、思い出す。
好きになっちゃ、いけない人だった。
「A、電話する。メールもする。
会われへんけど・・・」
「うん」
「就活頑張るねんで？」
「うん」
「Aならきっと上手くいく。
離れてても応援してるから」
「うん」
マスターの言葉に、
うなづく事しか出来ない。
「ごめんな？
こんな付き合い、限界思たら。
そん時は、
俺んことは、忘れてええから」
「そんなの、言わないで」
「Aの未来まで、縛られへん」
「やだ。嫌。そんなこと言うマスターは、」
「嫌い？」
「・・・知ってるくせに、ずるい」
困らせたくない。
好きだから。
自分に暗示をかける。
マスターは過去に帰らなきゃいけない。
私の知らない時空を超えて。
だけど時々は会いに来てくれる。
約束したから。
七夕の夜、天の川を泳いで、
迎えに来てくれる、って・・・
車のエンジンの音が聞こえてきた。
マスターが私を抱く腕に力を込める。
「キスして」
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美穂(プロフ) - マスターも更新！有難うございます。 (2020年10月12日 0時) (
レス) id: f4c26da760 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - foolさん、更新ありがとうございます！！待ってましたーー！！マスター会いにきてくれて2人がクリスマスを一緒に過ごせて嬉しいです。今、最初からまた読み直してみました。幸せな気持ちと切ない気持ちとまた幸せな気持ちと…色んな感情が…今後も楽しみにしています。 (2020年10月11日 22時) (レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ついに…やすくん来てくれたんですね！！ちょうど良いところで続きに…(*/∀＼*) 主人公も東京の会社に就職とは！やすくんと距離も近くなれそうな…！そわそわしてきました！笑 続きも楽しみです！ (2020年5月14日 2時) (レス) id: 22258ff530 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます。大阪のライブのあと2人が会えますように…ハラハラドキドキしてます。メンバーの中に相談できる相手が居て良かったです！｡･ﾟ(ﾟ⊃ω⊂ﾟ)ﾟ･｡ (2020年5月12日 13時) (レス) id: 22258ff530 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - マスター私も会いたいよー！会いに来てー！ (2020年5月11日 22時) (レス) id: a8bccc7358 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2020年3月4日 7時
