過去から来た人。１ ページ4
Aside
店の外では、カナカナジリジリ。
今日も飽きることなく、セミが鳴いてる。
空気も歪んで見える、この暑さ。
最後のお客さんが帰って、
厨房に身を潜めてたマスターがやっと、
奥の座敷に出て来た。
少しくすんだ(ように見える)白の開襟シャツに、
ベスト。
ぴったりと固めた黒髪、
黒縁の丸眼鏡。
畳の上に、あぐらをかいて、
んーっと伸びをして。
ちゃぶ台仕様の丸テーブルを拭いてる私を見て、
にこにこ笑って見てる。
何歳なのか、年齢不詳。
初対面の時は、
３０代前半？と思ったけど、
妙に若く見える時があって、
実は今年２２の私と、
同い年ぐらいなんじゃないかと思うこともある。
話す言葉は関西弁だけど、
この辺りに詳しいわけでもない。
この店のオーナーに頼まれて、
一夏だけのマスターをやってるらしい。
そのくせ、厨房に引っ込んでて、
お客様の前には滅多なことでは顔を出さない。
その上、
お店の二階に住んでて、
私が知る限り、
ここ昭和堂を出たことがない。
まるで下界に出たら、
ゾンビに喰われて死んじゃうみたいに、
篭城してるわけ。
理由を聞いたら、
地下鉄の乗り方知らんし、
世間のルールは分からん事だらけで怖いやん、
喰われてまいそや。
という、
曖昧な返事が返ってきた。
どっか浮世離れしてて、
常人とは違い過ぎる。
今はというと。
ちゃぶ台の上に折り紙を並べて、
七夕の飾りにするっていう、
短冊や飾りを作ってる。
「マスター、
前から聞こうと思ってたんですけど、」
「ん？なにぃ？」
緊張感のないゆるい声で聞き返して、
私を横目で見る。
黒縁眼鏡の向こうの瞳は、
ドキッとなるような、透明度。
「マスターって、
もしかして、
過去から来たんですか」
「ふっ、んっ？！なんで？」
マスターが目をまん丸にして、吹き出した。
いかつい風貌に似合わず、
その笑顔は無邪気で可愛らしい。
「この世の中の事、知らな過ぎません？
だからきっと、戦前の日本から来たのかと。
割と本気で思ってます」
「Aちゃんて、おもろい発想するねんなあ」
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美穂(プロフ) - マスターも更新！有難うございます。 (2020年10月12日 0時) (
レス) id: f4c26da760 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - foolさん、更新ありがとうございます！！待ってましたーー！！マスター会いにきてくれて2人がクリスマスを一緒に過ごせて嬉しいです。今、最初からまた読み直してみました。幸せな気持ちと切ない気持ちとまた幸せな気持ちと…色んな感情が…今後も楽しみにしています。 (2020年10月11日 22時) (レス) id: eb998853f9 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ついに…やすくん来てくれたんですね！！ちょうど良いところで続きに…(*/∀＼*) 主人公も東京の会社に就職とは！やすくんと距離も近くなれそうな…！そわそわしてきました！笑 続きも楽しみです！ (2020年5月14日 2時) (レス) id: 22258ff530 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 更新ありがとうございます。大阪のライブのあと2人が会えますように…ハラハラドキドキしてます。メンバーの中に相談できる相手が居て良かったです！｡･ﾟ(ﾟ⊃ω⊂ﾟ)ﾟ･｡ (2020年5月12日 13時) (レス) id: 22258ff530 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - マスター私も会いたいよー！会いに来てー！ (2020年5月11日 22時) (レス) id: a8bccc7358 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2020年3月4日 7時
