. ページ9
「ふんふんふ〜んっ♪」
俺の言葉に、二つ返事でついてきた智くん。
只今、めちゃくちゃご機嫌さんだ。
「翔くんはぁ、何歳なの？」
縁石の上でバランスを取りながら歩く智くんが聞く。
智くんはなんか幼いから、俺より年下だろうな…。
「32だよ、オッサンでしょ」
「なぁんだ、おいら33歳だよ〜、同じくオッサン♪」
「えっ、年上！！？」
…見えない…童顔なんだなぁ…。
「はい、着いた」
割と給料が高い…世間でいう一流企業で働いてるから、金は持っている方だ。
だから…
「ひっろーいっ♪」
きゃっきゃ♪と楽しそうに家の中を回る智くんは、とても年上には見えない。
…あー…、やっぱり可愛い…。
「…ところで、翔くん」
「ん？」
「家まで連れてきてくれたってことは、…イイんだよね？」
イイ。
この時この場合の許可なんて、1つに決まってる。
「うん、イイよ」
そう答えた瞬間、視界がぐるんっ！と回った。
気がつけば、我が家の見慣れた天井に、見慣れない智くんの顔。
…つーか、男の顔が俺の上にある光景なんて見たこと無い。
「…じゃ、遠慮なく♪」
ペロ、と唇を舐め上げた舌が覗く。
「…は…？」
「翔くんさぁ、ダメだよ？」
未だ俺の上にいる智くんが、するすると俺の顔を撫でる。
それが妙に艶かしくて、ふるり、と身震いした。
「最高にイケメンで最高に可愛くて最高に好みで、」
「…ぁっ、…！」
「なのに、こんなホイホイ連れてきちゃうなんてさ？」
頬を撫でていた手を顎に持ってきて、そのまま持ち上げる。
所謂、顎クイ。
「そんなの…」
口角を緩く上げて笑う顔が、悔しいくらいかっこよかった。
「食っちまいたくなるだろ」
「…えっ、ちょ、まっ、…あぁーーッ！！」
…数時間後。
「…詐欺だ」
「えぇー？」
「こんな可愛い顔で絶倫なんて…」
「翔くんこそ詐欺だぞ？」
「はい？」
「そんな可愛い顔してタチだったんだろ？」
「タチだったんじゃない、タチなの！！」
「いーじゃん、これを期にネコになりなよ」
「やだ！」
「つーかさぁ、俺と付き合えばいいんじゃないの？」
「……智くんキャラ違う…」
「あ、…おいらと付き合って♪」
「…やだ！！」
まぁ、冒頭でも言った通り、俺にもやっと幸運が回ってきたから。
付き合うのは、時間の問題…、かも？
…めでたくない、めでたくないッ！！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 548人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：salt_* | 作成日時：2017年8月29日 20時
