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そうやって売り出しているわけではないけど、何故かこの店は「一見さんお断り」感があるらしくて。
ピアノに向かった先に見えるお客さんの顔は、皆見知った顔ばかり。
まぁ、それでもたくさんお客さんはいるんだけどね。
「翔ちゃーん！今日もかわいいよー！」
「SATOSHIとヤったんかー！」
お客さんも海みたいに心が広くて、俺が男だって知ってても変わらず通ってくれる。
…それから、何故か俺と智くんが付き合っていることも知っている。
ここのアットホームな雰囲気が、俺は大好きだ。
そっと、鍵盤に指を這わせる。
ピアノから、美しくてなだらかな音が聞こえる。
この瞬間が好き。
皆を、俺の世界に惹き込む瞬間が好き。
あぁ、楽しい。
ふっと目を閉じて、夢中になってピアノを弾いた。
「翔ちゃん、お疲れ様」
弾き終わってステージから降りた俺に、カウンターでカクテルを作ってる雅紀が笑顔を浮かべる。
「雅紀、水ちょうだい」
「あれ、今日は飲まないの？」
「うん、クライアント先から直接車で来たから」
「そっか」
俺と喋りながらも、ずっとシェイクしたりしてカクテルを作ってる雅紀の手さばきに少し見とれる。
「はい、“シンデレラ”だよ」
コトン、と俺の前に置かれたのは、オレンジ色の透き通ったカクテル。
「ちょ、雅紀、俺、今日飲めないって…」
「それ、ノンアルコールなの。飲んでみて？」
言われた通りに飲むと、口の中に広がるフルーティーな味。
「…美味しい…」
「ふふ、そうでしょ？シンデレラみたいな翔ちゃんにピッタリ」
「…よくそんなキザなことしますね」
クスクス笑いながら隣に座ったニノに、雅紀が少しむっとする。
「翔ちゃん可愛いでしょ？」
「可愛いですけど、俺はおじさんに怒られるの嫌ですもん」
「大ちゃんそんな怒んないよ」
「それはアンタだからでしょ」
ニノと雅紀の言い合いを微笑ましく見ていると、店内がふっと暗くなった。
…きた。
EDM系の曲が流れると共に、黒い影が浮かび上がる。
「SATOSHIー！」
パッと灯りがついて、智くんが踊り出す。
…かっこいい…。
まるで智くんの周りだけ重力が無いみたいに軽いダンス。
彼にしか踊れないような細かい振り付け。
かっこいい智くんを眺めていると、ふと目が合った。
…と同時に、ペロリ、と赤い舌が唇を舐めあげる。
その仕草が、情事を思い出させるくらいに艶かしくて。
「…ズルい」
俺の心を掴んで離さない。
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salt_*(プロフ) - 御風 和葉さん» ありがとうございます!!めちゃくちゃ嬉しいです(*^^*)可愛いを意識しました!!←お、いいですね、私も 言えば良かったです笑 (2016年4月4日 22時) (
レス) id: 50d790f726 (このIDを非表示/違反報告)
御風 和葉(プロフ) - 作品いつも見させて頂いてます！翔くん智くん可愛すぎです♪私はエイプリルフール、彼氏できたって言いました笑 (2016年4月4日 19時) (レス) id: b5efad5e39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：salt_* | 作成日時：2016年4月3日 0時
