お似合い。【BTS】 (ページ7)

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［TH side］

分かった、気をつけると言ったAに満足して、優しい香水の香りがするそこから預けていた頭を離す。

…何やってんだろ俺。

心配させないで。なんて、もう彼氏でもないのに偉そうに言って
きっとまたAを困らせたな

TH「…俺がこんなこと言ってもしょうがないか」

「そんな事ないっ！いつも私の事気にかけてくれて本当にありがとう。」

座っているから上目遣いぎみになりながらそう言うA。いつだってこの可愛くて優しい言葉と笑顔に癒されて、満たされて、振り回されてた。あーほんと可愛くて危なっかしい。

TH「…っ！いや別に…」

これからはもう俺は守れる立場じゃないから。
純粋な恋をして俺との恋を忘れて、幸せになってよA。

俺はただの担当美容師くらいの立場で、時々会えたならそれでいい。

…

…

…

まさか俺には担当美容師の立場さえも無いなんて。

「私…サロンモデル辞めようと思ってて…」

カラーの待ち時間があと少しと言うところで何か言いたげなAの様子に「どうしたの？」と聞いたら
急に落とされた爆弾のようなその一言。

TH「えっやだよ」

思わず大きな声を出してAを見ると、逸らされた目線。

「もう店長さんにも言ったの。こ、これから就活の準備とかやらなくちゃいけないしもっと勉強する時間欲しいなって思ってっ…」

うそつき。Aが嘘ついてる時なんてすぐ分かるし。でも何でそんな嘘つくのか分からない。

TH「…モデル続けてほしい、この店のみんなが思っ
てるよ。」

「でも、」

また最後まで言わず黙ってしまったAをじっと見る。
…あ、分かった。
このままサロンモデルを続けても、俺やこの店の他の美容師と気まずくなると心配してるのか。考えてみれば当たり前だ。

ついさっきまで彼氏ではなくても、Aに会えるならいいなんて思っていた自分が馬鹿らしすぎる。

TH「…我儘ばっかりでごめん。」

本当にどこまでもかっこ悪い奴で自分が嫌になる。
これじゃあ束縛ばっかしてたあの頃と同じじゃんか。

TH「Aが決めたことなら…」

「オッパは嫌じゃない？」

TH「…っ！」

嫌な訳ねぇ！！！って叫びそうになった。
むしろ続けてもらわないと俺がもたないよ。

TH「ぜんっぜん嫌じゃないよ。嫌なわけない。」