お似合い。【BTS】 (ページ4)

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「...んんんんどうしよう」

携帯の画面とにらめっこしながら呟く。

この前ジミンさんに担当してもらった時は、撮影のためのセットだけでカットやカラーはしてもらっていないからそろそろ気分転換も兼ねて、髪型・髪色を変えたくなってきて。

でも長い間、テヒョンオッパにしか頼んでこなかったから他の美容院には行ったことがなくどこがいいのか分からない。友達がオススメしてくれたお店は予約がいっぱいだったし…

「あっ」

急に携帯が震えて電話がきたことを伝えた。

「はいっ！もしもし」

『あ、Aちゃん。おはよう』

「おはようございます！店長！」

『突然ごめんな。Aちゃん近々髪染める予定とか無い？』

「あ…そのぉ…」

良いのか悪いのか
タイムリーな話題が飛び込んできて口ごもる。

『…もしかしてテヒョンアの事気にしてる？』

「はい…」

店長さんにはテヒョンオッパとの事は話していたからよく理解してくださっている。

『そっか…新しい染め粉が届いたから Aちゃんにお願いしたかったんだ。』

「すみません…実はサロンモデルのお仕事も辞めようかと思っていまして…」

ジミンさんにやめようと思っていると言ったら手を強く握られて必死に止められたけれど、やっぱりテヒョンオッパと気まずい空気になるのが辛いし他の方にも気を使わせてしまうんじゃ…と考えると辞めるしかないなと思う。

…寂しい気持ちもあるけれど

『えええええええええ困るよAちゃん！
知ってるでしょ、この店のサロンモデルはAちゃん1人なんだよ…」

「すみません…でも…」

『じゃあさ！！！俺が担当してあげるしテヒョンアが休憩の時に撮影まで終えれるようにするから！！本当に頼むよ…Aちゃんしかいないんだよ」

ずっとお世話になっている店長さんに、耳がとれそうな程大きな声でお願いされてしまったら私に断ることは出来なくて。

「分かりました…でもこのお仕事で最後にするかもしれないです…」

『ありがとう！！！！これからの事はゆっくり考えて。じゃあ俺が空いてる時間とテヒョンアの休憩時間が被っている日程で調整するね」

「はい。お願いします。」

初めて店長さんに担当してもらうし、今までのお礼に何か持っていこうかな、

きっとあのお店に行くのも最後になってしまうから。

そろそろ私も前を向かなくちゃ。

このお仕事でぜんぶ終わりにしよう。