お似合い。【BTS】 (ページ19)

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[TH side]

揺れる視界に、啼きながら乱れる後ろ姿。

久しぶりのようで、初めてのような感覚。
でもあまりイイものでは無かった。

『んぁぁっ！あんっ…きもちい、…んっっ』

TH ｢ほら、ちゃんと立って。｣

さっきから恥ずかしげもなく嬌声をあげ続けていた女の人はもう脚に力が入らないのか、がくんと座り込んだ。

『はぁっ、はぁっ、

…私たちっ、相性良いね、』

甘えるような下からの目線がどこか不快に感じる。

TH ｢そう？｣

『連絡先…おしえてほしいな
名前だって知らないし…』

ため息がでそうだった。

'' 今日だけの遊び ''だって言ってたのは君なのに

TH ｢それはだめ。｣

『え～～！
じゃあ…もう1回しよう？』

そう言ってすり寄ってくる火照った顔をした女の人。
俺の顔に手を添えてキスをしようとしてきたから、流れるような動作でその手をとって後ろを向かせて、腰の動きを早めていく。

『あうっ…はぁ、はぁ、…あぁっんぁっ…』

目の前のミルクティー色の髪を見ていると
段々とAが頭に浮かんであの可愛い声も、ウブな反応も、綺麗な肌も、

もう一度

俺のモノにしたい。

なんて、考えてしまうから。

とにかく快感だけを集めようと必死になる。

『あっ、んん"…ねぇ一緒に、イこっ、』

TH ｢ん、｣

見知らぬ人と成り行きでこんな事をして
自分に縋ってよがって甘い声で啼くその姿に
Aを無理やり重ねて

『あぁっ、！』

TH ｢…っ、｣

その後に残ったのは、虚しさに似た倦怠感。

TH ｢……ごめん、｣

こぼれ落ちたその言葉は何に対してなのか
自分でも分からなかった。