お似合い。【BTS】 (ページ18)

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［TH side］

なんか変わったね

最近そんな事をよく言われる。お客様からも、友達からも。今日はジミナからだった。

JM「テヒョンア？体調悪いの？なんかいつもと違う
感じがする、」

TH「そう？」

JM「何かあった？」

何もない、なんて言ったら嘘になる。いつの間にか心にぽっかりと空いてしまった穴にどう理由をつければいいのか分からない。

TH「ジミナが予想してる通りの理由。」

そう答えると、ジミナは何故かばつが悪そうな顔をしてそうかな。なんて乾いた声で言う。

いつもと違うのはお前もだよ、という言葉は言えなくてジミナの後ろ姿をちらりと見てから店の作業に戻った。

…

…

寒い冬の夜、誰もいない家への帰り道、ひとり。

人が多い駅前でマフラーに顔を半分うずめながら歩く。伸びてきた前髪が少しうざったい。

このまますぐ家に帰るのもなんか嫌で、かといって他に行くあても無くだらだらと歩いていると

TH「えっ、…」

視界の端に見えたミルクティー色の、揺れる髪

A、？

Aだ。

そう思った瞬間、弾かれたように体の向きを変えて
彼女を追いかける。

TH「A、！」

……なんだ、

『えっ？な、何ですか？』

Aじゃない。赤の他人だ。

思えばAはもう少し背が低いし、髪も綺麗で、かわいい。それに、この女の人みたいに露出のある服装はしないじゃん。俺の馬鹿。Aと他人を間違えるなんて、

TH「っいや、人違いでした…すみません、」

俺疲れてんのかな。
やっぱり、もう家に帰って大人しく寝よう。

そう思って驚きの表情を浮かべる女の人に頭を下げて帰ろうとした、時。

『ねぇ待って、』

ぐっと手首を掴まれた。
驚いて女の人の方を振り向くと、急に距離を詰められる。

『お兄さん…このあと空いてます？』

取り繕ったような声に甘ったるい香水の香り。

『彼女さんとかいるんですか、？』

体がすっと冷えていくような感覚。

TH「いないですけど、」

『じゃあ…少しだけ遊びません？今日だけ。
私、お兄さんみたいな人すごくタイプだし。お兄さんから声掛けてくれたじゃないですか。』

なんだか酷く頭が重くて考えるのが面倒で。
心に空いた穴を何かで埋めたい。

ただそれだけだった。